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  コラム診察室

リンパ腫の新規治療薬

米国でリンパ腫の新規抗がん剤であるラバクホサジン注射剤が獣医師の処方で使用ができるようになりました。従来の抗がん剤と比較して、有効成分の分子量が極微小に調整されているため、腫瘍細胞に対して抗がん剤がより選択的に作用しやすくなっています。このことによって、抗がん治療の最大の敵である副作用の軽減が可能という理屈です。
抗がん治療の分野は近年もなお物凄い速度で進歩を示しています。より効果的でより負担の少ない抗がん治療ができるようになると、癌に対する概念も大きく変える事ができる事が期待されています。

獣医師; 伊藤

2018年2月内科学アカデミー所感

現在の獣医学において、てんかん発作の治療の中心は内科療法となっています。内科療法によって多くの場合で良好な管理状態を作れますが、残念ながら人医療と同様に、様々な内科療法を組み合わせてもおよそ20%のコで治療に反応しない難治性てんかんと呼ばれる病態を示してしまいます。お薬を増やしてもてんかん発作が抑えられない状態です。今回の学会では、いくつもの新しい事を学べましたが、印象に強く残ったのがてんかん発作に対するてんかん外科の講演です。人医領域では既に保険適応の治療となっているようですが、獣医領域では未だ臨床応用されていません。てんかん外科は、てんかん発作を起こしている脳の異常部位を特定し、異常部位に対して切除外科や遮断外科で脳の正常部位と切り離したり、電気刺激療法によって異常を安定化させる治療方法です。左右の脳を繋ぐ脳梁の切断という治療選択しもあるようです。大学を中心におよそ5年で臨床応用を目指しているという話でした。難治性てんかんで苦しむコ達にとってはもちろん素晴らしい医療技術であるとは思ったと同時に、講演の内容を聞きながら、どこまで人の医療技術を追うことが動物のため、飼い主さん達のためなのかを、我々動物病院の臨床医が取捨選択することも大切だと強く思った学会でした。

獣医師:伊藤

新しく子犬、子猫を迎えたときに注意したい寄生虫

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。さて、クリスマス、初売りと新聞と一緒にペットショップのチラシも見受けられ、このような機会に新しく家族に迎えられた方もいらっしゃるかと思います。おうちに来てから、何事もなく過ごす子も多くいますが、時々、健診で寄生虫が見つかることがあります。まず多いのが、腸管内の寄生虫です。食欲も元気もあるけど、軟便がなかなか治らないとのお話をよく聞きます。お店では、駆虫済みとのことでしたが、便検査をすると、コクシジウム、ジアルジア、トリコモナスといった原虫が発見されることがあります。これらは、一般的な回虫駆虫剤では、駆虫されません。また、顕微鏡でないとわからないため、見逃されることがあります。新鮮な便での検査が必要となります。2つ目に多いのが、耳ダニです。耳を異常に痒がったり、黒っぽい、乾燥した耳垢がみられたりします。耳垢を顕微鏡で見ることによって、確認します。ただし、感染数が少ないと一度の検査で検出できない場合もあります。おうちに来てからの健診を受けることは、とても大事です。特に気になることがなくてもぜひ、受診されることをお勧めします。

獣医師:半澤

2018年癌学会所感

癌細胞だけを認識して破壊する新しい抗癌治療である抗体医薬の認可が、人医領域で加速度的に成長をしています。効果があるものの副作用もある従来の抗癌剤の新規開発は急速に減退し、人医領域ではおよそ90%が抗体医薬を含むがん免疫治療の分野に集中するようになっているそうです。この新しい領域への獣医療の試みはまだまだ始まったばかりです。抗体医薬の作用メカニズムの一部は解明されつつあるものの、人医においても、まだまだ分からない事も多い分野です。また、従来の抗癌剤の副作用とは異なる副作用の報告が多数されており、決して副作用のない夢の抗癌治療薬ではないことも忘れてはいけない事実だと思いました。現在、獣医療における抗体医薬分野では、2つの製剤が誕生しているものの臨床的に有効とは言えておりません。しかし、この新しい癌治療の開発に向けて多くの研究が進められており、近い将来、これまでに太刀打ちができなかった癌に対して、治療を受けるコにもその飼主さんにも優しく、そしてより効果的な治療ができるようになる日が近づいているという印象を強く受けることができた学会でした。 

獣医師:伊藤

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

SFTSは2011年にダニ媒介性ウイルス疾患として初めて発表された疾患です。臨床症状は発熱と血小板減少と主徴とし、重症例でもな亡くなってしまうこともあります。2016年度までは、ダニに刺される事で感染する疾患として、ダニに刺されるような場所に行かない事で予防ができる疾患と認識されていました。しかし、2017年度になって、ネコ次いでイヌから人への感染の可能性が指摘されるようになり、SFTSに対する認識を大きく変えないといけないかもしれない状況となってきました。

厚労省のサイト国立感染症研究所のサイトを一読されることをお勧めいたします。

現在の診断方法
急性の発熱、白血球減少症、血小板減少症、食欲消失等の症状が認められ、さらに入院を要するほど重症(自力採餌困難等)で、かつ他の感染症が否定された場合に、SFTS ウイルスの感染について疑います。急性期発症1~10日内であればPCRによる遺伝子検査が実施可能です。

治療
支持療法、対症療法

予防
○ダニ→人
ダニに刺される場所に近づかない
○ペット→人
血液、糞便、唾液中にウイルスが含まれる可能性が高く、急性の発熱、白血球減少症、血小板減少症、食欲消失等の臨床症状を呈した場合、血液、糞便、唾液の処理の注意。

ダニ予防について
ウイルス性疾患のため、いかなる方法のダニ予防約であっても完全に予防できる方法はないと思われますが、現在のところダニの生息域を広げないという意味合いで、我々飼主のできる事としてのダニ予防には一定の効果があるように感じます。

獣医師:伊藤