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  看護師通信

看護師セミナー10 整形外科Ⅰ

こんにちは。看護師の坂本です。

今回は整形外科を学んでまいりました。
整形外科Ⅰでは概論で少し触れた、骨格、筋肉などの基本知識と痛みによる歩行状態の変化についてです。
骨格の基本を今回学び、次回整形外科Ⅱでは疾患や検査について学びます。
ほとんどの哺乳類は骨格構造がほぼ同じといわれています。
人の骨と似ているところもあるので、何となくわかっている方も多いとは思いますが基本知識をまとめております。

以下内容
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整形外科Ⅰ

筋骨格系の構造、機能
骨、筋肉、関節、腱、靭帯などを合わせて筋骨格系と呼び、動物が正常に適切な運動が出来、健全な日常生活を送ることが出来るためにはこの筋骨格系の役割が重要。過度な運動や体重、加齢により、筋骨格系に不全をおこすと、移動や起立困難など生活や生命の維持に障害をもたらすことになる。無計画な繁殖などで筋骨格系に遺伝性疾患を持つ動物が作られてしまう事もある。近年では、QOLの向上のためにリハビリテーションや積極的な整形外科手術が行われることも多くなった。

骨格
複数の骨が組み合わさって出来る骨格は、骨組みとして体を維持するだけではなく、内臓などの柔らかく、重要な組織を守る役割も担っている。そのほかにも、体内の約99%のカルシウムを貯蔵したり、骨髄で血液を作るなどの働きをしている。 歯のエナメル質の次に硬い物質で、カルシウム、コラーゲン、コンドロイチンで構成されることで固さの中に多少のしなりを持つ。

骨の構造
海綿骨
スポンジのように柔らかく細かな網目状の構造。その隙間が骨髄で満たされている。骨の一番内側の層。骨折修復時、ピンを入れる場所。
緻密(皮質)骨
骨表面の硬く密度のある部分。血管、リンパ管、神経などが通っている。縦法方向に伸びる管をハバース管と呼び、横方向に(骨髄へ)伸びる管をフォルクマン管と呼ぶ。骨細胞があり、他の骨細胞と連絡して栄養の移動や、老廃物の排除なども行う。
骨膜
繊維組織で出来た骨表面を覆う膜。骨の直径を太くし、骨折時の治癒にも働く。骨膜には神経が多いので、痛みが強い。
骨髄
造血組織を含み多くの血管が分岐する赤色骨髄と、すでに造血機能が失われ脂肪がおもな成分となる黄色骨髄がある。
骨端軟骨
長骨の端にあり、成長する際に起点として骨が伸びる(成長線)。動物の成長が止まると骨化し伸びなくなる。この部分の骨端線のレントゲンである程度の年齢がわかる。ここの成長線が骨折してしまうこともあり、その場合骨の成長が止まってしまう事がある。

 脊椎の解剖
第1頸椎を環椎、第2頸椎を軸椎と呼ぶ。頭蓋骨から環軸椎までは椎間板と呼ばれる衝撃吸収や骨の動きをスムーズにする仕組みがなく、第三頸椎から尾椎までの椎骨間には椎間板がある。肋骨は同じ番号の胸椎の横突起と肋軟骨で繋がるが、第13肋骨は胸骨に繋がっていないので筋肉内で終わっており浮遊肋骨と呼ばれる。
骨盤の解剖
骨盤は寛骨と呼ばれ、腸骨、恥骨、座骨の3つの骨が繋がって出来る。生まれてすぐの幼少期時代にはレントゲンで繋がっている場所の線が見えるが次第に見えなくなり、一つの骨に見えるようになる。
頭蓋骨の解剖
犬の頭蓋骨は大きさや形など犬種によって形が異なるが、猫は大体同じ形をしている。

関節
骨同士を繋ぎ、動きを滑らかにする構造。骨端同士の間を関節腔といい、関節包に包まれている。骨端の関節面は関節軟骨でおおわれ、関節包の内壁には滑膜がある。滑膜内で滑液を分泌し動きを滑らかにしている。関節炎の際には関節包内に滲出液がたまり、関節が腫れる事がある。関節包の特定部位には靭帯があり、関節運動の方向や範囲を決めている。この靭帯が過進展すると損傷し、捻挫と言う状態となる。関節はそれぞれ場所により形が異なる。

筋肉
骨格を動かす骨格筋と心臓壁をつくる心筋は横紋筋で、内臓や血管の壁をつくるのは平滑筋。この内、意志によって収縮伸展が出来る骨格筋は随意筋であり、平滑筋と心筋は不随意筋である。 骨格筋は関節をはさんだ骨と骨の間を繋いでいる。筋の両端は、腱がひもになって骨膜に付着し骨と強固に接続している。筋肉の性状により名称が異なり、頭筋、腹筋、鋸筋などがある。それぞれ場所により頭に数字がつく。筋肉が収縮した時に動く部分を終始部、動かない部分を起始部といい、同じ方向に働くものを協力筋、反対方向に作用するものを拮抗筋という。筋肉は層になって身体を守っている。

整形外科疾患のポイント
整形外科疾患の多くは痛みを伴うが、動物は痛みを限界まで隠す傾向がある。姿勢や歩行、生活態度の変化で痛みを察知してあげる事が必要になる。 また動物病院内ではより痛みを隠すことが多い、飼い主さんからの的確な主訴、問診での聴取から痛みによる変化なのかを察知する事になる。正常を理解し、何がおかしいかを分かってあげる。また運動器のみではなく、食欲不振や、性格の変化なども痛みの訴え方としてあることを理解しておく。

起立姿勢、歩行の異常
痛みのある肢に体重をのせようとせずに、反対側に身体を傾ける。微妙にしか傾かない場合もあるさらに痛みが酷い時には患肢を挙上する。この場合、熱感や腫れがないか確認する。期間が長い場合、四肢の使い方に差が出るため筋肉の付き方にも変化が現れる。使用回数の少ない肢の筋肉は細くなり、足の太さに差が出る。 また普段と様子が異なり、立ち尽くしていたりする場合もある。 歩行様式を診るためには出来るだけゆっくり歩かせる方が良い。これは痛い肢で支える時間を出来るだけ短くしようとする歩行をよく観察するためである。歩行リズムが乱れていたり、頭を上下に揺らしながら歩いている場合は痛みがある場合がある。神経系にも障害がある場合、甲部と肢端を引きずるように歩行し、爪の甲部がすり減っているなどの状態がみられる事がある。

これらを動物病院内で観察する場合、動物が滑らない、落ちない状態で行う事。どんなに自分ひとりで動けない状態であっても目を離さないようにする。 また触診時も最初から強く触りすぎないよう注意する。急に触れ傷めるとそれで悪化してしまう事もある。まずは健常な場所から触診をはじめること。保定もどこがどのような状態か判明していない間は全てに細心の注意を払う。レントゲン撮影時も余計な力がかかってしまわないように注意する。

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いかがでしたでしょうか。

骨や筋肉それぞれにも名称がありますが今回はそれらは知っているという前提でのもっと内部の基本知識でした。
次回の整形外科Ⅱではより具体的な疾患や検査について学んでまいります。
わんちゃん猫ちゃんの高齢化がすすみ始めている今、筋骨格疾患は皆様も気になる疾患の一つになっていると思います。しっかりと学び皆様の、わんちゃん猫ちゃんの役に立てるようになってまいります。

看護師 坂本恵

看護師セミナー9 血液・免疫学Ⅱ

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は血液・免疫学のⅡということで、免疫学を中心に学んできました。
免疫学も細胞の名前や仕組みが少し難しいので前半読み辛いかもしれませんが、後半に疾患についてをまとめます。
免疫疾患といっても想像付きにくいですが、ワクチンや食物のアレルギー、自分の細胞が自分に攻撃されてしまう疾患などが免疫疾患に含まれています。あまり多い疾患ではありませんが仕組みを知っておくと看護しやすいのではないかなと思います。

以下内容
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血液・免疫学Ⅱ
免疫とは一度かかった感染症が治ると再び同じ病気にはかかりにくいという概念。
なので、ワクチンを接種しても絶対防御ができるわけではなく、症状が出にくい、または軽くすむことができる状態にすることが出来る。免疫機能は生体防御機能に含まれる。

生体防御機能
病原体が体内に侵入・増殖しないために防御する能力のことをいう。
外界との境界面で病原体の侵入を防ぐバリア機能と、体内に侵入した異物を排除する免疫機能から構成される
バリア機能
皮膚や被毛、粘膜、腸管、気道など外界と触れる面で病原体の侵入を防ぐ。
免疫機能
骨髄由来の免疫機能を担当する細胞(免疫担当細胞)により異物を排除する。
免疫担当細胞には、単球、リンパ球、好中球、肥満細胞などがある
免疫機能には不特定多数のものの防御を行う非特異的生体防御と特異的に決まったものを防御する特異的生体防御があり、
好中球や好酸球、単球などは非特異的生体防御に関与している。急性期
リンパ球の中のT,B,NK細胞は特異的生体防御に関与している。慢性期

特異的生体防御機構のしくみ
異物(抗原)が初回侵入すると血管外から出た単球(マクロファージ)が抗原を捕らえ貪食。
マクロファージが分解した抗原の破片、情報をヘルパーT細胞に伝える
ヘルパーT細胞がキラーT細胞とB細胞に抗原の情報を伝え、2つの細胞を活性化
キラーT細胞はウイルスに感染した細胞などを破壊する。(細胞性免疫)
B細胞が分化してできた細胞(形質細胞)が抗体を産生する。(体液性免疫)
抗体はそれぞれ特定の抗原と結合し抗原を無効化、排除。(抗原抗体反応)
またB細胞は免疫記憶能力があるので、抗原の種類を記憶し、再度同じ抗原が侵入すると1回目より早く増殖分化をす
る。

非特異的生体防御機構
この抗体を作成している間に、その抗原が何であっても単独で抗原を貪食、排除するのが好中球、NK細胞である。
細菌は自己繁殖できるが、ウイルスは自己繁殖できないので細胞の中に入り、細胞が作り出すたんぱく質の流れに入るか、DNAなどの遺伝子の中に入り自己複製をしていく。
エイズ、白血病のウイルスはヘルパーT細胞の中に入ってしまうので、破壊できず完治ができない。

免疫疾患

バリア機能の破たんによる疾患
膿皮症や褥瘡、消化器疾患などが含まれる。皮膚、消化管粘膜、呼吸器などの上皮細胞が外傷やウイルス感染などで障害されると外界を遮るバリア機能が破たんする。また抗菌薬などの投与で消化管の正常細菌の減少や変化によって、病原体の増殖を防ぐ細菌学的バリアの破たんすることがある。
主症状は炎症徴候。皮膚感染ではかゆみ、脱毛など。消化管感染では嘔吐下痢など。呼吸器感染では発咳、呼吸様式の変化など。でこれらの部位を通じて感染が全身に広がる可能性があり、低体温、乏尿、意識障害などの敗血症性ショックを起こしてしまう事もある。各種画像診断、組織検査、薬剤の感受性試験などで全身状態を把握する。
治療は患部の洗浄(消毒はしない)、ドレッシング剤による保護、抗菌剤の投与など

免疫機能の低下
ウイルス感染、白血病などの骨髄疾患、クッシング、糖尿病や免疫抑制剤、抗がん剤の投与などは、免疫担当細胞の減少・機能低下をもたらし、病原体の侵入・増殖を抑えるための免疫機能を低下させる。
主症状は上記と同じ。各種血液検査、ウイルス検査、骨髄検査を行う
治療は原因が特定出来た場合、原因疾患に適した治療、対症療法など

アレルギー性疾患
Ⅰ型:ワクチン後のアナフィラキシーショック、アトピー性皮膚炎
Ⅱ型:免疫介在性溶血性貧血、天疱瘡
Ⅲ型:全身性エリテマトーデス(血管炎)
Ⅳ型: 食物アレルギー                       がある。
免疫機能が過剰に働くことにより、身体にとって有害な反応を引き起こすことをアレルギー反応といい、このアレルギー反応を引き起こす抗原のことをアレルゲンと呼ぶ。
即時型アレルギー反応
Ⅰ~Ⅲ型のアレルギー。数分から数時間以内に発症する。IgEを代表とした免疫グロブリンが大きく関与している。最悪の場合、命にかかわる。
遅延型アレルギー反応
Ⅳ型のアレルギー。数日後に発症する場合が多い。主にT細胞が関与している。
症状は発赤、痒み、発咳、呼吸困難、鼻汁、チアノーゼ、嘔吐、下痢、流涙、眼瞼腫脹、血管浮腫、意識障害など様々。
血液検査、除去食試験、組織生検など症状や原因に合わせる
治療はステロイドや免疫抑制剤の投与をし、その後アレルゲンの暴露量を減らすこと

自己免疫性疾患 
全身性エリテマトーデス、免疫介在性溶血性貧血、免疫介在性血小板減少症、免疫介在性関節炎などが含まれる。多くの場合原因を特定するのは困難。雄よりも雌の発症が多い。
症状は疾患によって異なるが、すべてで発熱をおこす。全身性または特定の臓器、細胞に炎症を引き起こす。抗核抗体検査、血液検査、クームス試験などを行い診断する。
治療は免疫抑制剤の投与、対症療法。

免疫疾患には命にかかわるもの、治らないものもある。
抗原も抗体もたんぱく質でできており、うまく食事を取れていないとさらに病状が悪化してしまうこともある。入院中など罹患動物が食事を取れているのか、ストレスなどの免疫が低下する要因が強くないのかなどは動物看護師がしっかりと管理するべきである。
入院動物は、手術後やストレスによって体調変化をおこしやすいので、食欲などの一般状態だけではなく温度や湿度、部屋の清掃、消毒、タオルやシーツの交換など環境状態にも常に気を配っておく必要がある。免疫疾患を罹患している場合は、高カロリー、高たんぱくの食事を推奨し、食欲のない場合は好みのものでよいのでとにかく食べさせることが必要。食事を取れる場合、口周りや肛門まわりなど皮膚粘膜移行部を清潔に保ち続ける必要がある。副作用出現の可能性も念頭に入れ、体調変化にいち早く気づけるよう看護を行う。下痢や嘔吐など体力の低下につながる要因は排除できるよう獣医師と相談する。見逃しがちな飲水量も管理し、血液の循環に必要な量が取れているのか、点滴などの必要はないのか考慮する。
またステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤の投与や手術後の感染などにより免疫機能が低下してしまうことを理解し、家でどのような体調変化を注意してもらうか伝えられるようにしておく。
予後や症状、今後の展開に不安な飼い主さんもたくさんいる。精神的な援助ができるように必要知識を学び、動物の変化と同じように、何かを聞きたいなどの飼い主さんの変化にも気づき一緒に病気に向き合う動物看護師を目指す。

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いかがでしたでしょうか。

免疫疾患はセミナーでも学んだ通り、治らないまたは長期治療や治りづらい疾患も多いです。
仕組みを理解することで、症状を軽くしてあげることが出来たり、今の状態の理解をしてその子にとって一番良いことを選んであげる手助けになれればと思います。
どんな疾患にかかっても不安な事は多いと思います。
そんな時に私達動物看護師がしっかりと知識を持ち、皆様の気持ち、動物たちに寄り添えられるようになりたいと思います。

看護師 坂本恵

看護師セミナー8 血液・免疫Ⅰ

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は血液免疫学Ⅰで、血液についての講座になります。
わんちゃん、ねこちゃんの具合が悪い時、病院で身体検査の次に行うことの多い検査が血液検査だと思います。
その血液について、どういう仕組みなのか、何がわかるのか。また血液の疾患について学んでまいりました。
以下に内容を記載させていただきます。

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血液・免疫学Ⅰ

血液疾患は一度症状が出ると生命に関わるものも少なくない。貧血による粘膜の蒼白、凝固系異常による紫斑や点状出血、呼吸異常や出血傾向などは保定をしている動物看護師も気付ける異常。また血液検査の結果をみて、追加で塗沫検査や他検査、治療の準備を早急に始められるように血液について理解しておく必要がある。凝固系異常、DICを疑っている場合早急の治療が必要なため検査結果はすぐ報告する。腎臓や脾臓の疾患でも血液異常は起こるため、保定で無理をさせないなどの注意も必要。体位移動での呼吸停止を起こしかねない場合もあるので動物の観察が必要。血液値が大きく異常を示していても、体力や動物の性格によっては元気にしている場合もある。元気にしていても突然急変する可能性がある事を念頭におき、看護を行う。家ではなるべく安静に出来るよう指示し、リスクの説明もきちんと行うこと。

身体の水分分布
身体の約60%が水分。そのうち細胞内の水分が約40%で、間質(組織)液が約15%、血漿が約5%、リンパ液が約1%以下である。この内、細胞内液,血液の水分が脱水してしまうと命の危険があるので、脱水症として水分が失われるのは、組織液である。
身体の血液量
循環血液量(臓器に貯蓄されていない身体を巡っている血液量)は、犬で体重の8~9%。猫で約6%。このうちの1/3を失うと命に危険が及ぶ。 身体から血液が失われると間質液から水が補給され血漿量が戻り始める。循環血液量は半日~2日程で回復するが、赤血球白血球などの血球成分は4~8週間かけて元の量まで戻る。この事から失血した場合、長期の治療、看護が必要となる。 血液は骨髄で生成される。

血液の種類
血漿
血液の液体成分。全体の約60%を占める。
血清
フィブリノーゲン
血球成分
全体の約40%を占める。
赤血球
白血球
好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球がある
血小板

それぞれの働き

血清
血漿に含まれる成分。90%が水であり、残りの10%に糖質やアミノ酸、尿素、ホルモン成分、血漿タンパク、電解質、脂質が含まれる。 血漿タンパクには肝臓で造られ血漿の濃度調整を行うアルブミン、免疫に関与するグロブリンの2種から成り立つ。このためタンパク、アルブミンが低下した場合は肝臓異常も疑い、グロブリンの上昇の場合には感染症などを疑う。電解質は身体の酸化を防止したりお互いのバランスを保って成り立っている。脂質には中性脂肪やコレステロールなどが含まれ、これは上昇しても低下しても異常となる。

フィブリノゲン
血漿に含まれる、血液を固める成分。

赤血球
大きさは約7~8μmでこれは毛細血管に1つずつ通れる大きさ。ヘモグロビン(鉄分)が含まれ、酸素,二酸化炭素の運搬を行う。犬の赤血球は約4カ月で消失、猫では約2カ月で消失する。赤血球は脾臓で分解され、便や尿として排出する。このため、便や尿の色の変化は膵臓や腎臓膀胱、肝臓異常でおこることが多いが、赤血球や脾臓異常でもおこることがある。赤血球の分解された成分がビリルビンへ変化するので黄疸の原因も肝臓だけではなく、赤血球がどこかで壊され続け代謝が間に合っておらずにおこる事もある。骨髄に異常がある場合など、血液塗沫検査で網状赤血球など健康な子では見られない赤血球の前段階の細胞が見られる事がある。 血球の体積の量を示すヘマトクリット値は赤血球の量とほぼ等しい。このヘマトクリット値が下がると貧血を表わし、上がると脱水をおこしている事を表わす。 血液型は赤血球で決定し、諸説あるが犬で13種、猫で3種ある。人と異なり、犬猫は血液型を2種以上持っていることが多いとされている。

白血球
好中球
白血球の約60%を占める。細菌などの異物を取り込み(貪食)、身体を守る。血管内皮をすり抜け血管外で活動する事が出来る。異物に最初に反応して攻撃をする。白血球の総量の7~80%に上昇している場合、急性炎症の可能性が高く、発熱している事が多い。 好中球は貪食後、細菌を取り込んだまま死に膿となる。
好酸球
白血球の約3%を占める。寄生虫に対する生体防御をする。アレルギー反応に関与する。
好塩基球
白血球の約0~2%を占める。慢性のアレルギー反応に関与する。顆粒にヒスタミン等を含み、アレルゲンが結合するとアナフィラキシーショック、蕁麻疹などを引き起こす。
リンパ球
白血球の約30%を占める。T細胞、B細胞、Nk細胞があり、免疫反応の中心的役割。T細胞はマクロファージとともに抗原(微生物や癌細胞など)から身体を直接守り、B細胞は抗原から刺激を受けると、7~10日かけて抗体を産生する。その抗体が抗原をほぼ無毒化したり、他の細胞に排除されやすくすることで身体を守る。NK細胞は自己の腫瘍細胞やウイルス感染細胞を破壊する
単球 
白血球の約60%を占める。血管外の組織に出るとマクロファージとなり細菌や損傷した自己細胞を貪食する。長期戦になると出てきて好中球と同様に攻撃する。白血球の総量の4~50%に上昇している場合、慢性炎症の可能性がある。微熱がでることも。
血小板
核のない細胞。止血作用がある。傷などがあると形を変形させ、偽足と呼ばれる突起を出しそれで動いたりお互いをくっつけ血栓をつくり止血する。

造血機能
全ての血液は骨髄にある多能性造血幹細胞から造られる。血球は成熟してから骨髄を出て、全身の血管に移行する。
赤血球の造血因子は、腎臓で産生されるエリスロポエチンというホルモン。
白血球は、病原体などが体内に侵入した事を感知すると、インターロイキン、コロニー刺激因子という造血因子が放出され白血球の生成を促進する。
血小板は、血中のトロンボポエチンによって調整されている。
止血機能
血管が損傷すると、血管壁に血小板が凝集し血栓を形成して止血する(一次止血)
一次止血の後、血小板の血液凝固因子が連鎖的に活性化してフィブリンを形成し、網状に血栓を包み止血が完了する。(二次止血)
損傷した血管壁が修復されると、たんぱく分解酵素によりフィブリンが溶解し血管が元に戻る。圧迫止血は静脈のみ行う事が出来る。筋肉が薄く様々な太さに収縮する事が出来るため、3~5分は出血を止める事が出来、その間に上記一次止血等が行われる。動脈は筋肉が厚いため結紮止血を行う。
輸血
命に関わる重度の貧血や凝固系異常などの際に行う。輸血は一時的な対症療法であり、根本的な治療ではないことを理解しておく。 輸血は生体内に他者の細胞(異物)を入れるということなので、事前に十分な検査を行わないと輸血反応という副反応が起こってしまう場合がある。副反応には、発熱、嘔吐、頻呼吸や不整脈などがある。他にもDICや溶血性輸血反応を起こし死に至る場合もあるので、輸血中は細心の注意が必要である。

血液疾患

免疫介在性溶血性貧血
自己免疫の異常によって、自己の赤血球を破壊してしまう。マルチーズ、プードル、シーズーの雌犬に多くみられる。
進行が早く、致死性が高い。症状は、発熱、可視粘膜蒼白、黄疸、血色素尿など
血液検査で、貧血、球状赤血球(塗沫検査)、赤血球の大小不同が見られる
治療はステロイド等による免疫抑制、輸血など

タマネギ中毒
ネギ類を食べることで、ネギ類に含まれる水溶性の物質(アリルプロピルジスルファイドなど)がヘモグロビンを酸化させる、溶血性貧血をおこす。
症状は、ネギ類を食べてから数日以内に溶血性貧血、血色素尿など
血液検査で貧血、ハインツ小体(塗沫検査)が見られる
治療は食べてすぐならば催吐処置、症状後であれば、対症療法、抗酸化剤、ステロイド剤の投与、輸血など

バべシア症
マダニの吸血時に体内に侵入したバベシア原虫(寄生虫)が赤血球寄生し、壊し溶血性貧血をおこす。
症状は、マダニ寄生の2~4週間後に発熱、黄疸、血色素尿など
血液塗沫検査でバベシア原虫の確認をする。
治療は抗原虫、抗菌剤の投与、輸血など

白血病
造血器系の腫瘍で骨髄の中で白血病細胞が異常に増殖し正常な白血球などが減少。 また造血機能も低下するため貧血を起こす。犬では原因不明だが、猫はウイルスの感染によって急性白血病がおこり、致死率が高い。慢性白血病は症状が緩やかである。
症状は持続性の下痢、鼻炎、結膜炎、リンパ節の腫れなど様々
治療は抗がん剤などの化学療法、輸血など

猫白血病ウイルス感染症
咬傷や濃厚な接触で猫白血病ウイルスに感染し免疫不全や感染症を引き起こす。リンパ節や骨髄、脾臓など全身臓器に感染が広がる。
症状は口内炎、鼻炎、結膜炎などと造血器系細胞の腫瘍化を引き起こす場合と、破壊を引き起こす場合がある。
通常感染後4週間程度でウイルス抗原が陽性になるためウイルス検査で検出できる
治療は感染症に対する対症療法になる。

猫免疫不全ウイルス感染症
咬傷で感染し、リンパ球を破壊し、後天的免疫不全症候群をおこす。感染初期には発熱やリンパの腫脹などの症状がみられ、その後一旦なくなる。無症状のキャリア期を数年間経て、次第に免疫機能が低下し口内炎、結膜炎、下痢などの感染症に伴う症状を発症する。また慢性腎不全を発症する事も多い。
ウイルス検査で検出できる。
治療は感染症に対する対症療法になる。

リンパ腫
リンパ球系細胞が異常に増殖し腫瘤を形成する。悪性リンパ腫のステージはⅠ~Ⅳに分類され、ステージが上がるごとに予後が悪い。
Ⅰ:一か所のリンパ節にとどまっている。
Ⅱ:上半身、または下半身のどちらか一方にとどまっており、二か所以上のリンパ節に広がっている。
Ⅲ:上半:、下半身どちらのリンパ節にも広がっている。
Ⅳ:リンパ節以外の臓器や骨髄、血液に広がっている。

症状は腫瘍の出来る場所や悪性度によって様々でリンパ節の腫脹だけの場合や、呼吸困難、嘔吐や下痢などがある。
細胞診やPCR検査で診断がつく。
治療は化学療法、外科療法、放射線療法、対症療法など様々

免疫介在性血小板減少症
自己の血小板を破壊することで減少し、出血傾向がおこる。自己免疫疾患が主な原因で腫瘍や激しい炎症、感染症、薬物投与、ワクチン接種後に続発しておこる場合もある。犬に多くみられ、猫ではまれ。
症状は体表や粘膜部の点状出血、紫斑など
治療は免疫抑制療法、輸血など

播種性血管内凝固(DIC
ショック、感染症、悪性腫瘍などによって血管内の凝固が過剰に亢進し、多くの微小血栓が生じることによって、急性腎不全や肺不全などの臓器障害をおこし、血液中の血小板や凝固因子が枯渇するため皮下出血などの様々な出血傾向を示す。
命に関わる重篤な状態。
症状は元気消失、点状出血、紫斑、出血傾向など
血液検査で判断する。PT,APTT,FDPの高値など
治療は原因疾患の治療、へパリン療法など

このように代表的な血液疾患は命に関わるものが多いことから、知識をしっかりもち看護を行う必要がある。ショック状態になりやすいということを理解し、ささいな動物の変化も見逃さない。酸素吸入をすぐ行えるようになど事前準備にも注意する。

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いかがでしたでしょうか。

難しい単語なども多かったと思います。
血液疾患にもさまざまなものがありますが、命にかかわる怖い疾患も多いです。
診断時の獣医師からの説明や、資料などを読んで不安になることも多いと思います。
私達看護師もきちんと知識をもって、その子その子により良い看護ができるように努力し続けたいです。

次回は血液・免疫Ⅱで免疫についてを学びますので、またまとめてお伝えさせていただきます。

看護師:坂本恵

看護師セミナー7 皮膚Ⅱ

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は皮膚Ⅱを学んでまいりました。
今回は皮膚疾患の症状や疾患について、また薬浴と呼ばれるシャンプーの方法についてをまとめました。
皮膚疾患は内容にもありますが治療が長期になることも多いです。
知識や展望を知って治療にあたるか否かで少し考え方ややる気も変わってくるのではないかなと思います。
長くなってしまっておりますが、少しでも皆様のお力になれればと思います。

 

・・・以下内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

膚診察に必要な観察ポイント

皮膚診察時に注意しなければいけないのは、皮膚の疾患だと飼い主さんが思っていても、内臓や血液疾患、腫瘍などからも皮膚に症状が出る事があるという事である。 このため、皮膚のみの症状を訴えてきても先入観で診ずに全身状態も診る。

症状名、特徴
紅斑
毛細血管の拡張などによって出来る皮膚の発赤。各種感染症で発症
 白斑
原因は不明だが色素細胞の減少で起きる皮膚の白色化。治療は困難
 紫斑
赤血球の細胞外漏出=内出血。非炎症性では血小板減少症、凝固因子の異常、炎症性では血管炎などで発症する。
 色素斑(黒くなる)
先天的なものとして舌や歯肉が黒色化したり、後天的に病的な理由で色素が沈着することがある。炎症後の色素沈
着ではターンオーバー2回ほどで消失する事もある。
 水疱、膿疱
表皮や表皮下に水が溜まったものを水疱と言い、白血球(膿)が溜まったものを膿疱と言う。皮膚への刺激が原因で
なる事が多いが、各種感染等で出来る事もある。
びらん、鱗屑、痂皮
びらんは表皮部分の損傷で出血は少ないが、真皮以下にまでの損傷は潰瘍と言い出血量は多い。天疱瘡、アトピー
性皮膚炎などが原因になる。
ターンオーバーが早くなり、角質が大量に剥がれ落ちる状態を鱗屑と言いフケとも呼ばれる。アトピー性皮膚炎や
脂漏性皮膚炎などでおこる。
  苔癬化
炎症が長期にわたり繰り返して出来る、皮膚が厚くなりゴワゴワと象の皮膚のようになった状態。長期のアトピー
性皮膚炎や脂漏性皮膚炎でおこる。
 表皮小環
膿皮症の際に見られる症状。リング状に剥がれた痂皮が見られる。

皮膚科検査
皮膚掻爬検査
疥癬や毛包虫(ニキビダニ)、真菌の検出が出来る。病変部を鋭匙やメスで削り取ったものを顕微鏡で検査する。寄
生部位が深いので、検査時は出血するまで深く削り取る必要性がある。検査時には病変部、鱗屑脱毛、紅斑部を掻
爬し出血させるため、飼い主さんには事前に出血する事を伝える。
被毛検査
皮膚糸状菌、ニキビダニの検出をするとともに、毛周期を確認し脱毛の原因を探る。病変部の毛を抜毛、または抜
けている毛を顕微鏡で検査する。
 直接塗沫検査
細菌や糸状菌、寄生虫、腫瘍細胞検出をする。病変部に直接スライドガラスを押しつけ、ディフクイック等で染色
してから顕微鏡で検査する。
 培養検査
細菌培養検査と真菌培養検査の2種類がある。
細菌培養検査は、破れていない膿疱から無菌的に膿を取りだし(穿刺吸引)培養する。外注の検査になる。手の細菌
が入らないよう、グローブを装着して行うのが良い。
真菌培養検査は培地に病変部被毛などを埋め、培養する。結果が出るまで2週間はかかる。25度前後の場所で保
管し培養する。悪い菌がいた場合、培養して増えた菌が原因で肺炎をおこすこともあるので、培地の取り扱い、培
養後の菌の管理には注意する。
 皮膚生検
皮膚病の確定のために皮膚の一部を生検パンチやメスで切り取り採材し、ホルマリンで固定し検査センターへ送付
し検査する。局所麻酔や場合によっては鎮静などが必要になる。治りづらい皮膚病変、不明な皮膚病変の確定のた
めに行う事が多い。潜在性の感染症、腫瘤、自己免疫疾患なども検出出来る。
 アレルギー検査
血液検査でアレルギーの有無を調べる。原因の全てが検出されるわけではない。
 血液検査
内臓や免疫、内分泌異常からの皮膚疾患ではないかを判別する。

皮膚の代表的疾患
膿皮症
皮膚バリア機能の低下などにより皮膚の常在菌が増殖することによって発症。 夏場が多い。アトピー性皮膚炎の
子がなりやすい。抗生物質の投与、患部消毒やシャンプーによる洗浄で治療。周囲を毛刈りするとより良い。
マラセチア皮膚炎
常在菌のマラセチアの増殖が原因。シーズーやコッカ―など脂漏体質の子がなりやすい。主に前胸部、腹部、腋肘
に強い発赤と脂漏。抗真菌剤の投与、抗真菌剤配合や角質溶解のシャンプーによるシャンプーとコントロールが必
要。
ノミアレルギー皮膚炎
北海道にはほとんどないと言われているが、野良ネコなどでまれに発症。飼い主にも痒みがでる事がある。ノミの
駆除、生態系の断絶が必要。シャンプーやスポットで治療
アトピー性皮膚炎
アレルギー疾患のひとつで、遺伝的にアレルゲンに反応しやすい体質を持っている。皮膚のバリア機能の低下、異
常をおこす。主なアレルゲンはハウスダストマイト、埃やフケ、花粉などのどの環境中にもあるものである。発症
は3歳以下で痒み脱毛が見られる。春から夏にかけて症状が悪化し、北海道では冬にかけて症状が少し落ち着く事
がある。柴犬、シーズー、ウエスティ、ゴールデン、ラブに多い。合併症として膿皮症や外事炎なども引き起こ
す。ステロイドや免疫抑制剤の投与、シャンプーや保湿などで皮膚組織の正常化を目指す。完治することはない
が、症状の緩和、維持を図ることは出来る。
食物アレルギー性皮膚炎
たんぱく質や炭水化物が主体の食物成分のアレルゲンに過剰反応が起こることで発症する皮膚炎。アトピー性皮膚炎と症状が似ている。顔面や頭部、肛門周囲に痒みがあり、通年性に症状が出る。また下痢や排便回数の増加などの消化器症状を伴う場合もある。除去食試験で原因物質を特定し排除すれば症状は改善されるが、その除去食試験は 2ヶ月間指定されたフードと水のみしか口にする事が出来なく、途中でおやつなど他の物を食べた時点で試験が無効となってしまう。またアレルゲンは1つに限らなく複数個ある場合もあるので、食べられるものが制限される。
 皮膚糸状菌症
人にも感染する人獣共通感染症である。動物では痒みが少なく頭部や四肢の脱毛をするが、人では痒みがある。犬よりも猫の感染が多い。タオル等からも接触感染するので人ももちろん同居動物や、院内感染に気をつける。抗真菌剤の内服や抗真菌剤配合のシャンプーを使用する。シャンプーは全身でなくても、病変部位を局所的にシャンプーするのでも効果的。
 疥癬
一時的に人にも感染することがあり、皮膚疾患の中では最も痒みが強い。ヒゼンダニの感染で発症。感染している他動物と接触することで感染する。犬で腹部、前胸部、耳介辺縁。猫で顔面頭部に発症する。イベルメクチンなどの駆虫薬の投与で治る。同居動物がいる場合は同時に行う。
毛包虫症
アカラスともいう。常在寄生しているニキビダニが、免疫の低下により毛包で増殖し炎症をおこすことにより発症する。脱毛のみの場合や皮膚が自壊する場合もある。また産後に母子感染もおこす。子犬の発症では免疫機能が完成される1歳齢までに自然治癒することが多い。他疾患や環境変化、老齢によって免疫が低下した動物の感染が多い。イベルメクチンなどの駆虫薬を投与。感染がある場合は抗生物質も同時投与する。人の毛包にも寄生していると言われている。
 内分泌異常
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング)によって脱毛などがおこる。
皮膚科に必要な看護
皮膚の治療は簡単に治るものから長期治療が必要なもの、生涯付き合っていかなければいけないものまで様々で、長期治療が必要な場合はホームケアも非常に重要になってくる。一進一退で長期化している場合は、飼い主のモチベーションも低下してくるので看護師が励まし一緒になって治療を行ってあげる事が必要である。また、動物達は痒みを我慢することが出来ないので、痒みが減るまでの間に自分の爪で傷をつけたりなどの自傷行為を予防するよう指導アドバイスする。服を着せる、カラーをする、爪を短く丸く保つなどその子に合った方法を提案してあげる。また温まると痒みが出る子もいるので冷却療法を提案したり、環境のどこかで痒みが強くなる瞬間がないかなどの、環境配慮も気にしてあげる。根本解決にはつながらないが、掻くどころじゃないほど遊んだり出かけたりして他の刺激を与え夜疲れて寝てもらうような方法もある事を頭に入れておく。何より必要な事は、皮膚疾患にも様々なパターン、飼い主さんの環境、状況があるのでその子にあった看護を考える必要がある。病変がわかりやすいため、愛犬猫の変化に戸惑い苦悩している飼い主さんも多い事を理解し、些細な変化に気付く心が必要。
シャンプー療法
皮膚科診療においてシャンプー療法は薬物療法よりも重要である事が多い。内服量を減らす事が出来たり、皮膚の洗浄や正常化をすすめる事が出来る。しかしシャンプー療法は基本的に自宅管理になるため、飼い主さんに負担を強いる事も多い。このためどのくらい頑張れるかはしっかり話し合って始める。
シャンプーの指導は看護師が行う事が多い。また院内で薬浴をする際も基本的には看護師が行っている、獣医師と一緒に何がその子にとって良いのかを考えて行う事。 シャンプーにも保湿系、抗菌系など様々な種類があるので、その子には何を使用しているのか何を勧めるべきなのかが選べるよう覚えておく必要がある。シャンプーをする意味、薬用の意味をしっかり理解し、普通のシャンプーとは少し異なる薬浴シャンプー方法を指導する。

①被毛、皮膚を水または温水でしっかり濡らす。
温度が高すぎると皮膚に刺激を与えてしまうので、少し冷たいかなと思うくらいの低めの温度にする。小型犬で5分以上時間をかけてしっかり濡らす。被毛の長い子や柴犬などの密毛の子、大型犬は10分以上など時間をかけてしっかりと濡らす。
②シャンプーを手に取りなじませ、症状の重いところを中心にやさしく揉みこむ。泡立ててから身体にのせるのが一番良いが、身体で泡立てても良い。強くこすりすぎると皮膚を手で傷つけてしまうので注意。自分の手にハンドクリームを塗るような感覚で優しく揉みこみ皮膚にシャンプーの薬液をしみこませる。
③10分間浸透させる。これが一番のポイント。効果を正しく発揮させるためには薬剤を10分間皮膚に付けた状態で保つ事が大切。そのため症状が悪いところからシャンプーを始めると良い
④泡が無くなるまでしっかり流す。残っているとそれが原因で皮膚炎を起こす事がある。5~10分かけて、絶対にない状態まで洗い流す。
⑤やさしく乾かす。皮膚が特に悪い子はタオルの刺激も悪化の要因になるので上から押さえつけて水分を吸収する。ドライヤーは状況による。よっぽど嫌がるようであれば、自宅シャンプーが困難になってしまうのでしっかりとタオルドライをし自然に乾燥させる。ドライヤーを嫌がらずにさせてくれる場合は、温風で長時間皮膚に当てないよう注意する。温風と冷風を使用しなるべく皮膚に刺激にならないようにする。
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いかがでしたでしょうか。
皮膚の疾患は様々で悩むことも多いと思います。
シャンプーの仕方などでも、少しでも悩むこと、不安なことがありましたらお気軽にお声掛けください。

看護師 坂本恵

猫ちゃんの体重管理 -肥満も病気?-

こんにちは!看護師の阿部です。
年も明け2018年になりましたね。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今年の干支は戌年ですが、今年もめげずに猫ちゃんについてたくさん書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします!
年末年始はお休みをいただき、私のお正月は実家に帰省し久しぶりに猫たちとごろごろ…まさに寝正月でした。
クリスマス、年末年始など大きなイベントが終わり、人にとってはお正月太りが気になる時期ですが、猫ちゃんにとっても体重の増加は気を付けなくてはならないチェックポイントのひとつです。
今回はその猫ちゃんの“肥満”についてお話しします。

●太っているとどうなるの?
太っていること自体が病気ではありませんが、体重が増え、太ることで様々な病気を引き起こす原因となります。
例えば…
・糖尿病
・肝臓疾患
・呼吸器疾患
・心臓病
・泌尿器疾患
・関節疾患 などです。
これだけでも多くの病気が肥満と関係していることがわかりますね。
猫ちゃんの適正体重は、体型や骨格により個体差がありますが、その子が1歳齢になったときの体重がおおよその適正体重と言われています。
その体重から15%以上超えると注意が必要です。

●原因
人と同じで、よく食べ、食べた分のカロリーを消費できないと太ってしまいます。
・フードの量
ごはんのパッケージにフードの目安量が書かれていることがあると思います。目安量はあくまでも目安として書かれていますので、個体差があります。その通りに与えていても太ってしまう場合、量を調整したり、ごはんの種類を変更する必要があるかもしれません。

・年齢
今までと同じごはんをあげていても、中年齢以降になると代謝が落ち、消費カロリーが少なくなります。
若い時と同じ量を食べていると、摂取カロリーが増えてしまいます。中高齢の時期になったら一度、ごはんの種類を検討してみましょう。

・避妊、去勢手術
避妊手術や去勢手術を行うことにより、ホルモンの影響で太りやすくなります。
不妊目的や様々な病気を予防することで多くの方は選択される手術ですが、太りやすくなることがデメリットのひとつでもあります。

また、急な体重増加やむくみがある場合、ほかの病気が隠れていることがありますので、太っていること以外の体調の変化をよく見てあげましょう。

●お家でのチェックポイント
・お腹周りを触っても肋骨の場所がわかりにくい、確認できない
・横から見るとお腹が下に垂れ下がっている
・上から見るとお腹がひょうたんのように横に出ている
これに当てはまる場合、要注意!です。

とはいえ、猫ちゃんはとても気まぐれな動物です。今すぐ痩せさせなきゃ!と思っても、なかなか動いて遊んでくれなかったり、ダイエットはとても簡単なことではありません。
我が家にもごはんが大好きなぽっちゃり猫ちゃんがいますが、なかなか体重が減らず、苦戦しながらも家族で頑張っているところです。
ぽっちゃりとした体型は丸くてとても可愛いですが、太りすぎてしまったことが原因で病気になることは防ぎたいですね。
大きな病気になる前に、日常の体重管理から始めてみましょう!
少しずつゆっくりとでも体重を減らすことで、その子の将来の健康に繋がるかもしれません。
当院ではダイエット用のフードもご用意しております。
猫ちゃんのダイエットやお家の子の体型が気になる方、お気軽にご相談ください。

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