高齢になってから発生する疾患の一つに、歯石に起因した猫の口内炎があります。歯石が原因なので、歯石を除去することで治るのですが、多くの場合で麻酔や鎮静が必要となります。問題は、高齢になると様々な理由で麻酔や鎮静の処置が難しいことにあり、高齢の猫ちゃん達にとっては大きな問題となってしまいます。
特に猫ちゃんの場合、口腔内の不快感に対する耐性が犬より一般的に低く、歯肉炎の見た目の程度以上に臨床症状を呈すると考えられています。食欲が落ちてきたり、よだれが増えたり、最近グルーミングをしなくなった等の症状があれば、歯肉炎のサインです。口の中をチェックしてみて下さい。
盛り上がってきた歯石(菌の塊)が歯肉にかぶさったり、頬粘膜と擦れることによって歯周囲の粘膜に炎症を起こしてしまいます。

当院では歯肉炎の抜本的な解決の方法として、全身麻酔下における歯石除去を行っています。また、猫ちゃんの性格や臨床症状、歯肉炎が限定した部位にある場合には、軽い鎮静や無麻酔での歯石除去に挑む事もあります。
しかしながら、高齢になってくると麻酔も鎮静も無麻酔処置もすべてが難しくなるケースが増えてきてしまいます。
こうした高齢の猫ちゃん達に対して効果が期待できる治療法の一つに半導体レーザーによる消炎治療があります。ほんのり暖かい光を当てる治療で苦痛はありません。知らない人(動物病院スタッフ)が苦手な性格のコの場合、飼い主の方がご自身で照射してあげる事も可能です。

日々の生活の中で苦痛が少しでも軽減できたら猫ちゃんとしても飼い主としてもうれしいですね。
高齢の愛猫のお口の悩みがあればお気軽にお問合せ下さい。