体表にできるシコリの中でも出血や自壊を伴うタイプのシコリは、衛生的に管理することが難しかったり、気にして舐めてしまうことで、さらに出血や自壊が悪化してしまうという問題が起こりやすくなります。こうしたシコリは中年齢以降、特に高齢になってからの発生が多く、その対応に苦慮する飼い主さんもまた多くいます。
出血があることによって、舐め続けてしまったり、家のあちこちに点々と血跡が・・・。
でも高齢になってくると麻酔も心配だから手術も選べないし、包帯を巻いてもすぐに取ってしまうし。
こうした問題に対して、麻酔の不要なレーザー治療が、外科手術に代わる代替治療として利用できます。
一回の治療で即解決という迅速性は、外科手術より劣るものの、無麻酔で治療ができ、その効果も長期〜永久的となると、その有効性はあなどれません。
下の写真は、尾のシコリから出血が続いてしまっていた症例に対して、一回のレーザー照射を行ってからの経過を追ったものです。左側は照射前のシコリです。中の写真は、局所麻酔の塗り薬に特殊な色素を混ぜたものをシコリに塗布した後にレーザー照射をした直後の写真、右側が照射後7日目のものです。肉芽という状態ですが、見た目に反して、出血はほとんど認められません。

さらに、9日目、11日目、14日目と続きます。

14日目には発毛以外、皮膚の状態はかなり安定してきます。照射後約1ヶ月で下の写真まで改善していきます。

発毛に関しては、毛根が復活する力の個体差等によって、無発毛から完全発毛までの開きがありますが、シコリは完全に消失し、出血や自壊がなくなることで患部を全く気にしなくなります。
シコリに対するレーザー治療は、手術と比較して治癒までの時間がかかるという短所はありますが、切開や縫合の必要もなく、麻酔を使用しないという点が最大の長所となる治療法です。
年齢や持病によって麻酔をかけられず、手術での解決を諦めないといけない体表腫瘤の問題解決に、レーザー治療は十分、検討に値する代替治療法になってくれます。
シコリでお悩みな方はお気軽にご相談ください。






