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  看護師通信

看護師セミナー14 消化器Ⅱ

こんにちは。看護師の坂本です。

今回は前回の続き消化器Ⅱになります。
消化器Ⅱでは症状や疾患についてをまとめました。代表的な疾患が多かったので聞いたことのある疾患も多いと思います。
治療や症状、原因などが簡単にまとめてありますので、何かの参考になればと思います。

以下内容
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消化器Ⅱ

 嘔吐と吐出の違い
嘔吐:胃の内容物が様々な刺激による嘔吐反射によって口外に吐き出されること。吐く場所を探したり、特徴的な姿勢をとることが多いので前兆がわかることが多い。
吐出:食道の内容物を吐き出す動作。明瞭な前兆がなく、突然に食べたものを吐き出すことが多い。胃に到達していない食物が吐き出されるので胃液の臭いがなく、未消化で棒状に出てくる。吐き出した際に気管がうまく反応できず、誤嚥性肺炎を起こす可能性があるので注意が必要。

消化器疾患診療の対応
消化器疾患の場合、ストレスにより診察室内またはキャリー内で嘔吐、下痢をおこす場合もある。場所を汚してしまった申し訳なさを取り除けるように配慮が必要。また排出物は検体として重要な場合もあるので、確認してから廃棄する。
嘔吐、下痢は感染症の一例の場合もあるので、衛生面に十分注意する。
ストレスのかからない安全な保定を徹底する。
また、消化器疾患の場合十分に栄養が取れずに体力を消耗している場合があるので、
栄養管理も重要。症状改善後も食事内容の管理が必要な場合もあるので、きちんと説明できる知識をつけておく。論理上では適切な食事内容であっても、好みの問題で継続給与が難しい場合がある。家庭で給与を行う場合、飼い主さんと相談しながら他の選択肢を提案できるようにしておかなければ、困難で途中でやめてしまったり、良くない物をあげてしまう事もあるのできちんと話合っておく。

治療方法
治療方法は原因や疾患により様々だが、代表的な方法としては
薬物療法:胃粘膜保護剤、胃酸分泌抑制剤、制吐剤、抗菌薬、消化酵素製剤、免疫抑制剤などその症状や原因に合うものを選択し治療する。
 輸液療法:脱水の程度により皮下点滴か静脈点滴かを選択する。血液性化学検査や電解質検査の結果のもとに適切な輸液剤を選択し、間違えないように準備管理を行う。輸液中も電解質異常が出ないか注意。
 食事療法:消化管に負担のかからない食事の種類、与え方を考える。量や内容、与え方は疾患と症状の経過や様子により異なる。獣医師と飼い主さんとの情報交換をしっかりと行い、関わるスタッフ全員で共有する。
 非経口的栄養補給:中心静脈栄養法、経鼻チューブ、食道チューブ、胃チューブなどがあり、摂食不全や腸吸収が難しい時に行う。管理が大変なので、飼い主さんとしっかり話し合ってから行う。
 外科療法:物理的原因で消化管が閉塞している場合必要になる。

代表的な疾患

食道狭窄
食道が局所的に狭窄し、食物が通過困難になる。長期化することで炎症、吐出、流涎、体重減少などがおこっていく。
バリウム検査、内視鏡検査で診断。
治療は外科手術、対症療法として流動食による食事管理。頭部を上に向け起立状態を保持することで吐出からの誤嚥性肺炎の防止。

 巨大食道症
食道が拡張し、食物が移送されずに停滞してしまうため、食後に吐出する。
胸部レントゲン検査、バリウム検査で診断。原発として他疾患のあることもあるため、内分泌系も含め血液検査の実施。
治療は原発疾患がある場合はその治療。対症療法として食事管理。流動食の形態で1日分を数回に分けて投与。頭部を上に向け起立状態を20~30分保持し食事する。

 胃炎
急性と慢性があり、胃粘膜に炎症が起きている状態。感染、薬物、異物などが原因で起こすことが多い。嘔吐が一番多い症状で、出血が伴い吐血する場合もある。
血液検査で炎症像の確認。胃潰瘍の確定診断は内視鏡による、また生検し病理検査で特定する。
治療は重度の場合には絶食が必要で、この際には輸液が必要になる。嘔吐が無くなった後は胃腸負担の少ない食事を与え、胃粘膜保護剤、胃酸分泌抑制剤、制吐剤、抗菌剤など内服を検討する。

胃拡張捻転症候群
大型犬でおこりやすい、胃の拡張と捻転による疾患で緊急性を要する。
胃の捻転によりガスが出辛くなり、胃の拡張が進んでいく。拡張した胃が横隔膜や後大静脈を圧迫し、呼吸困難やショックをおこす。嘔吐したいが出来ない様子、腹囲膨満、呼吸速迫、意識低下、ショック状態などの症状がでる。
レントゲン検査、問診、身体検査で診断。
治療は拡張している胃の減圧を緊急で行い、捻転した胃の整復を外科的に行う。

 パルボウイルス感染症
パルボウイルスの感染により、発熱、嘔吐、出血性の下痢、脱水、食欲元気消失などを引き起こす。血球系や腸上皮の細胞に感染し増殖するため、二次感染による敗血症の危険がある。
血液検査で著しい白血球の減少が見られ、ウイルス抗原検査で診断する。
治療はウイルス疾患なので特効薬はなく、集中的な輸液と体力保持、二次感染に注意する。パルボウイルスは環境中で長期間活性があるので、消毒の徹底と他動物との接触を避けること。

腸炎
細菌やウイルス感染、食物、薬物のアレルギー、寄生虫など様々な原因で腸粘膜に炎症がおこること。下痢が主症状で小腸性と大腸性を見分ける必要がある。
量や出血の有無、便回数の変化、食欲の有無などを確認し見分ける。
検便や血液検査で重症度や原因を探り対処する。
治療は、原因が様々なので原因が分かった時点でその除去を行う。原因の特定が難しく対症療法で治ることも多い。嘔吐、下痢で脱水がある場合はその改善を行う。食事管理も重要。

 腸閉塞
イレウスともいう。異物による物理的なものが多いが、腸が通過障害をおこしている状態。異物による閉塞は急性の激しい嘔吐、元気食欲低下。緊急疾患であり外科的処置が必要。ただし、腫瘍による閉塞は慢性経過をとる事が多い。
腹部触診、レントゲン、バリウム検査、エコー検査で診断。
治療は、異物の場合は開腹し異物の摘出。対症療法。

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いかがでしたでしょうか。

前回の構造よりは、わかりやすかったと思います。
前回の構造、栄養学と合わせると、今よりもっとしっかりとした看護をしてあげることが出来るようになると思いました。
ついに講座も半分を超えました。読み辛いところも多いと思いますが、お読みいただきありがとうございます。

看護師 坂本恵

看護師セミナー13 消化器Ⅰ

 

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は消化器について学んでまいりました。
消化器症状の嘔吐や下痢は消化器疾患ではなくてもおこるので、嘔吐下痢についてというよりは消化器の疾患についてを学びまとめました。最後に簡単な栄養学も同時に学びましたのでまとめてあります。

今回も二部構成でしたので、詳しい疾患のことについてはⅡで学びまとめる予定です。

以下内容
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消化器Ⅰ
消化器は口腔から肛門までの構造の事を言う。この全ての経路を消化管と呼び、一本の管として繋がっている。

消化器の構造
口→食道→胃→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→結腸→直腸)→肛門へと続いている。このうち、口から十二指腸までの胃カメラで診れる範囲を上部消化管といい、空腸から直腸までを下部消化管という。大腸カメラでは直腸から回腸までを診る事ができる。このため、空腸は上下どちらからも見辛い場所と言われている。
消化管内腔の大部分は、内側から内腔、粘膜、粘膜下織、筋層、漿膜の5層の構造からなる。この5層の構造はエコーで見る事が出来る。正常な場合、綺麗に直線の層でうつり、層のどこかに異常があると層が乱れたり見えなくなったりする。 ただし、食道、結腸、直腸は漿膜のかわりに外膜が覆っている。漿膜が無いと腫瘍の転移が起きやすく、また強度が保てないために縫合しても離開がおきやすく手術の難易度が高い場所。
腸管は自律神経の支配を受けるが、腸神経自体が消化管を支配する完全な反射回路を持っているため、脳や脊髄からの指令がなくても独立して基本的な機能を果たせる。 正常であれば食べてから30~2時間で胃からの物が無くなるように出来ている。 エコー中でも食物を食べていると10秒に1回は動き、食べていなくても30秒に1回は動き続ける。

消化管それぞれの構造

 食道
食道に消化機能はなく、口腔内で小さくなった食物を胃に運ぶ管。
犬では周囲の構造に関連して生理的に狭くなっている生理的狭窄部位が3つある。この3つの部位は食塊や異物等がつまりやすくなっている。
胸部前口:頸の付け根で胸腔に移行するため屈曲している
心基底部:第5~6胸椎付近で心臓の横に当たる
食道裂孔部:第10胸椎付近横隔膜を通過する
食道に異物がつまり手術になると、前記の通り開胸術になり呼吸や心臓など循環器の管理をしながら行うのと、縫合しても離開の可能性が高いので注意が必要。

 胃
食物を貯留し、胃酸中の消化酵素ペプシンによりたんぱく質の分解を行う。
胃の入口(食道との境界)を噴門といい胃底部に繋がる。胃の出口(十二指腸との境界)を幽門という。噴門から腹側にむかって、幽門につ続く胃の中央を胃体部という。 胃は大きく弧を描いており、長曲を大弯、反対側の短曲を小弯という。
胃粘膜は3部に分かれている。
噴門腺部:粘液を分泌する。
胃腺部 :胃底、胃体にあり、胃小窩と呼ばれるくぼみから粘液や胃酸を分泌する。胃液に含まれる塩酸は強酸性のために食物に付着している細菌を殺菌し腐敗を防いでいる。胃液には胃壁保護のためのレンニンが含まれている。
幽門腺部:粘液を分泌する。G細胞からガストリンというホルモンが分泌され、胃酸の分泌促進、胃壁細胞増殖作用、インスリン分泌促進作用がある。胃から十二指腸へ物が流れていくと十二指腸が刺激され、十二指腸粘膜で合成されるホルモンにより分泌が抑制される
➀、③の粘液により、胃酸で自分の胃が溶けないようになっている。
胃は漿膜が強く、手術で切開しても縫合でつきやすい。

 小腸
栄養素の消化吸収と大部分の水分の吸収を主な機能としている。
十二指腸、空腸、回腸からなるが基本的な構造に違いはない。内くうに輪状ヒダ、腸絨毛があり、小腸壁の内部には平滑筋と神経の層がある。胃から十二指腸に沿い膵臓が存在している。犬猫では空回腸の区別がつき辛い。

大腸
水分の再吸収と糞便形成が主な機能であるが、小腸で大半の水分は吸収されている。
盲腸、結腸、直腸からなる。犬猫は盲腸があまり発達していなく、結腸は犬猫では人とほぼ変わらないが動物種により形態の差が大きい。
結腸は上行結腸、横行結腸、下行結腸に分けられる。

 肛門
犬には肛門周囲腺と呼ばれる腺があるが、猫にはない。
肛門には2種類の筋肉があり、平滑筋で出来ている内肛門括約筋は便が到達する緩み、横紋筋で出来ている外肛門括約筋は随意的に緊張させることが出来、それで便失禁を防ぐ。この外肛門括約筋は、腫瘤などにより手術で半分切除しても便失禁を防ぐことが出来るが、それ以上の摘出で便失禁をおこしてしまう。

 

消化器系の機能
消化管は栄養摂取と代謝を制御している。
食物を口から吸収し、肛門から便として排出するまでに消化管は、内分泌、外分泌、吸収などを行う。関係各所の臓器ときわめて密な連携を取り合っている。なので、関わるどの臓器に障害が発生しても、食物摂取ができなかったり、栄養吸収不全になったりして削痩してしまったりすることがある。摂取した食物が消化管内を移送している途中では、様々な変化がおき高分子な化合物から低分子な化合物へと分解される。これを消化という。
消化酵素は多くが膵液や小腸粘膜細胞分泌液に含まれており、小腸で分泌される。
人は唾液中にも消化酵素が含まれるが、犬や猫はほとんど含まれていない。 だが食物を見ることで、過去の経験による条件反射や口に食物が入る物理的刺激により唾液が分泌され、潤滑剤としての役割を果たす。
空腹は低血糖や脳の興奮により摂食中枢が刺激されおこる。

 

消化される栄養素
 5大栄養素:炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル
これに水を足すと6大栄養素になる。
体のエネルギーとなるもの;炭水化物、たんぱく質、脂質
体の構成成分となるもの :たんぱく質、脂質、ミネラル
体の機能を調整するもの :たんぱく質、ビタミン、ミネラル

炭水化物
糖質:消化酵素で分解されエネルギーとなるもの.ブドウ糖(グルコース)は単糖類で吸収が一番早い。
食物繊維:消化酵素では分解できない。水溶性と不溶性がある。便の固さなどに作用。

たんぱく質
植物性、動物性がありアミノ酸が多数結合したもののことをたんぱく質と呼ぶ。
腸液などの働きによりアミノ酸にまで分解され、小腸粘膜から吸収されて血液で肝臓に運ばれる。
アミノ酸には体内で作成できないため食物により吸収しなければならない必須アミノ酸と体内で作成できる非必須アミノ酸がある。犬と猫ではこの必須アミノ酸の数が異なる

脂質
1gあたりのカロリーが9kcalと他の5大栄養素の中で1番高い。
胆汁酸により乳化され、膵臓で分泌される。小腸絨毛からリンパ管へ吸収される。

ビタミン
脂に溶け吸収される脂溶性ビタミン(A,D,E,K)と水に溶け吸収される水溶性ビタミン(B郡,C)がある。脂溶性ビタミンは脂質と同じ吸収経路を辿り、水溶性ビタミンはB12のみ回腸で吸収され、他は空腸で吸収される。ビタミンA欠乏症がスパニエル系で多いといわれている。貧血時にはビタミン6,12、葉酸を注射や点滴にいれると良い。

ミネラル
酸素、炭素、水素、窒素の4元素以外の元素で、
主要ミネラル、必要量の少ない微量ミネラル、あげてはいけない有害ミネラルがある。
大部分のミネラルは小腸で吸収され、銅は胃、マグネシウムは大腸でも吸収される。

 

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いかがでしたでしょうか。

消化器の事と同時に栄養学も学ぶと、より理解しやすかったです。
消化器や食事について理解できていると、看護の際にも色んな事を考えてあげられるなと思いました。

次回は疾患について消化器Ⅱを学んでまいります。

看護師 坂本恵

ねこのきもち・わたしのきもち

こんにちは!看護師の阿部です。

先日、猫セミナーを院内にて開催いたしました。講師はなんと、私が担当させていただきました…!

もちろんわんちゃんやうさぎちゃんも大好きなのですが、特に猫が大好きで、周りのスタッフからは「猫といるときすごい嬉しそうだね」とか「“猫愛”がすごい」とよく言われます。自分では意識していませんが、かわいい猫ちゃんを目の前にするとついつい顔が自然と綻んでしまいますね。
…ということで、当院一の猫好きとして、一人の猫の飼い主として、看護師として、の目線で、猫ちゃんの性格や性質、診察や治療を円滑に行うために私なりの考えや対策をまとめ、日常の診察の中で猫ちゃんや飼い主様にとって病院としてできることについてスタッフみんなで話し合いました。

私が考える“猫の取扱説明書”

猫ってどんな動物?
群れで生活をして、飼い主をリーダーとして生活する犬に対し、お腹が空いたら狩りをして食べる、眠くなったら寝る、といったスタイルが猫の生活です。

皆さんのお家の猫ちゃんのごはんの食べ方はどうですか?数回に分けてだらだら食べる、という子が多いのではないでしょうか。これはまさに元々の生活スタイルがそういった狩りの仕方だからですね。

多頭飼育の猫ちゃんの場合、ダイエットや治療のために食餌療法を行っていても、だらだら食いするために他の猫ちゃんが食べてしまってなかなか上手くいかない…といった声もよく聞きます。

みんな同じフードで問題なければみんなでそのごはんを食べる、ということもできますが、そうでない場合、猫ちゃんは食事管理がとっても大変です。

猫ちゃんの性格
自由で気まぐれでツンデレな性格の子が多い傾向にあります。

わんちゃんでは病院大好き!という子もいますが、猫ちゃんで診察台の上でごろごろしてくれる子はめったにいません。

それは、猫ちゃんは自分のお家をテリトリーとしてるため、外の世界は恐怖でしかないからです。ましてやいろんな動物のにおいがする病院なんて嫌いになってしまうのは当然ですね…。

しかし、病気や怪我をした猫ちゃんを治すためにはどうしても検査や診察が必要になることがあります。

そんな猫ちゃんをいかい病院嫌いにさせないように、どこまで頑張ってもらえるか、診察に入った看護師や獣医師は猫ちゃんの個々の性格を考えて診察を進めています。

猫の嫌いなもの、行動

・大きな音、掃除機などの機械音
・犬の吠える声
・子供の大きな声
・男の人の低い声
・手足やお腹、お尻を触られる
・だっこ

病院の構造上、どうしても診察中、機械音などが聞こえる場合がありますが、猫ちゃんの検査や診察の際はできるだけ大きな音を立てないよう配慮して行っています。

うちの子はここを触られるのが苦手、こういう時に嫌がる、など事前情報があれば教えていただけると幸いです

フレンドリーですごく人懐っこい子や、神経質で攻撃的な子、臆病な子、警戒心むき出しな子など猫ちゃんも性格は様々です。

病気を治療するためにはどうしても病院では採血や検査などしなければいけないこともあるので、看護師や獣医師が噛まれてしまったり、ひっかかれてしまう、なんてことも動物病院ではよくあることです。

猫ちゃんの自由で気まぐれな性格がゆえに、気持ちを読み取ることはすごく難しいことです。しかしその自由で気まぐれな性格こそが猫ちゃんの魅力の一つでもあると私は思います。
(猫好きの方には同感していただけるのではないでしょうか(^_^))

だからこそ、猫ちゃんが言葉にできない気持ちを理解してあげられたらいいなと思っています。

一飼い主として、痛いことはしたくない、嫌がることは避けたい、というのは私も同じです。しかし、場合によっては治療のためにやむを得ず行わなければいけない検査や処置があります。飼い主様によって、高齢だからあまり検査はしたくない、できるだけのことをしてあげたい、詳しい原因を知りたいので詳しく検査をしたい!色んな考えがあるかと思います。お家の猫ちゃんの健康のためにどこまで治療するか、どういった治療方針で頑張っていくか、飼い主様と獣医師で相談し、スタッフみんなでサポートしていきたいと思います。

また、猫ちゃんはわんちゃんに比べると、ドッグランやカフェに行く機会がないため飼い主さん同士での交流があまりないイメージがあります。最近では、猫ブームで猫の飼育頭数も増えてきていますが、困ったことがあっても相談できる場所が少ないと不安ですよね。

ダイエットが上手くいかない、お薬を飲むのが大変…、ごはんの切り替えに悩んでいる、など何かお困りなことがございましたらお気軽にお声かけください。

 

そして最後に、私事で大変恐縮ですが、今月末で寿退職することになりましたのでこの場をお借りしてご報告させていただきます。

なので、今回のブログが猫ブログ最終章となります…。

猫好きということで、院長からの提案で猫ブログを通してここから情報を発信していこうと、去年からこのブログをはじめました。

少しでもどなたかに読んでいただけていたら嬉しいなあと思います(^_^)★

当院は猫ちゃんの来院率はわんちゃんに比べると多くはありませんが、その中でも私は猫ちゃんの診察に入ったり、飼い主様と関わることが多く、ご相談を受けたり、猫についての質問をいただいたり、お家の猫ちゃんの話で盛り上がったり、色んなお話しができてとても楽しかったです♪

中には、たわいもないわたしの話を覚えていてくれて、「お家の猫ちゃんは元気ですか?」と声をかけてくれる方もいて嬉しかったです。

猫が好きという自分の秀でた部分を活かして働かせていただいて、今まで関わらせていただきました飼い主様、先生、一緒に頑張ってきたスタッフ、みなさんに感謝です。ありがとうございました!

 

最後に、我が家のかわいい猫たちを紹介させてください(*^^*)
ll

今後とも厚別中央通どうぶつ病院をよろしくお願いします。

動物看護師 阿部

看護師セミナー12 肝臓・膵臓

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は肝臓、膵臓についてです。
季節の変わりめになると病気を発症する子が多くなる印象です。
肝臓膵臓疾患の子も多くなるなと思うので、そんな子たちの看護をもっと良くできるように学んでまいりました。

以下内容
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肝臓・膵臓

肝臓や膵臓は沢山の機能を持っている。肝臓、膵臓、腎臓は我慢強く、疾患を患っても悪化するまで症状を出しにくい。肝臓がうまく機能しないと、薬の代謝が困難になるため早期の発見、治療が必要になる。問診時にはどのような症状か、いつ頃からか、症状が現れるタイミングなどを聴きとり、同時にワクチン接種、予防薬の投与歴も確認する。
症状としては、食欲不振、運動不耐性、削痩、嘔吐、下痢、脱水、沈鬱、腹部膨満、黄疸、ビリルビン尿、脳症、血液凝固障害、多飲多尿、腹痛などがあげられる。黄疸は血液血清色や白眼、歯肉、腹部皮膚などでみることが出来る。
肝臓、膵臓疾患はレントゲン、エコー、血液、尿検査で状態を評価する。
血液検査ではAST、ALTが肝臓の逸脱酵素でASTは肝臓と筋肉の酵素。半減期が短いので今悪いのかどうかその時の状況をあらわしてくれ、ALTは肝臓のみの酵素。
胆道系としてALP、GGTがあるがALPはホルモン疾患などでも上昇する。GGTは脂肪肝の時には上がらずALPのみである。またこの二つはステロイドの投与で上昇する。
検査の際の保定では、ストレスによって症状が悪化したり、死亡したりすることがあるので負担がかからないように扱う。特に進行している疾患の場合は、ショックを引き起こす可能性もあるので十分な注意が必要。胆肝膵疾患では様々な合併症を引き起こす可能性も高いので十分な観察が必要。必要に応じて輸液も行われるが、速度、排尿量、呼吸、浮腫などには注意が必要。疾患を持っていると、感染のリスクも高まるため住空間は常に清潔を保ち尿便などで動物はもちろん動物の生活環境が汚染されないように注意する。疾患の中には感染するものもあるので他の動物と同じ空間に居て大丈夫か、尿などの処理方法などしっかり確認してから看護にあたる。
原因によっては完全な回復が見込めない疾患や、治療が長期間に及ぶこともある。また動物の生活環境を今までと変えなければいけなくなったりする場合もあるので、疾患を充分に理解し治療・看護方針についてきちんと相談して飼い主さんの不安を取りのぞく事も重要な仕事である。

肝臓の構造
肝臓は上腹部のやや右寄りにあり、大部分が肋骨に覆われている。一部横隔膜に付着しているため、呼吸で上下する。犬猫の肝臓は6葉に分かれている。これは1つの小葉に何か問題がおきても、ほかの肝葉が機能できるようにするため。肝臓は他の臓器とは異なり、機能血管と栄養血管の2つの血管系の分布を受けており、肝臓にのみ門脈と呼ばれる血管が存在する。肝臓の右前方には胆嚢が付着している。

膵臓の構造
膵臓は胃から十二指腸に隣接して存在し、3つに区分されている。膵臓からは膵管、副膵管が十二指腸に開口している。膵臓は2つの腺組織から構成されており、10種以上の消化酵素と重炭酸塩と呼ばれる胃酸中和作用のある物質を産生し、膵管、副膵管を介して十二指腸に放出する外分泌腺と、ランゲルハンス島という内分泌腺群からインスリン、グルカゴンなどのホルモンを膵臓血液内に分泌する内分泌腺がある。

肝臓の機能
胆汁の産生
脂肪の消化に関わる胆汁を産生し、胆嚢に貯蓄する。
胆汁の成分は胆汁酸、胆汁色素、重炭酸イオンからなる。
胆汁酸は肝細胞でコレステロールから生成される。食物中の脂肪を塊から1つ1つの脂肪分に分解しコーティングする乳化を行い、消化酵素の影響を受けやすい状態にする。
胆汁色素は大部分がビリルビンで、赤血球が破壊されて放出されたヘモグロビン血色素から生成される。消化には関与していないが、老廃物の排泄に重要な役割をしている。この量により、便や尿色がほぼ決まる。腸肝循環と呼ばれる作用で大部分は吸収され胆汁として再利用されている。
重炭酸イオンは強酸性の胃酸を中和する作用をもつ。
胆汁の産生にはアミノ酸(グリシン・タウリン)が必要。犬は両方とも体内合成出来るが、猫はタウリンを体内で合成出来ないため食事から取る必要がある。
タウリンは動物の筋肉の中に多く含まれるため、食欲不振でフードが摂取できない場合、肉類を摂取させると良い。
タウリン取れない=胆汁産生出来ず=脂肪消化出来ず=エネルギー不足に陥る。
栄養素の加工と貯蔵
腸から吸収した栄養を門脈で集め、過剰な糖質をグリコーゲンや脂肪に変え貯蔵。それを必要に応じてブドウ糖へ変換す   る。
解毒作用
有害物質を破壊し無毒化する。アミノ酸の代謝で生じる窒素廃棄物を排泄可能な尿素に転換する。尿素は腎臓でまた変換さ  れ排泄される。
タンパク質は小腸で吸収される際に毒性の強いアンモニアを発生させる。
それを門脈で肝臓に運び解毒処理を行い毒性の弱い尿素へと変換する。
 生体防御作用
肝臓に入ったリンパ球は星細胞と呼ばれ、細菌や異物を貪食する。
免疫グロブリンを生成する。
血液凝固作用物質の産生
血液凝固因子であるプロトロンビンやフィブリノーゲンを生成する一方で、血液凝固を阻止するヘパリンも産生し、またタ  ンパク(ブロブリン、アルブミン)も生成する。
造血、血液量の調整
古くなった赤血球を破壊しビリルビンを生成する。

膵臓の機能
 ホルモンの分泌
 インスリン
ランゲルハンス島のβ細胞で産生分泌。糖質、たんぱく質、脂質を細胞内に貯蔵させるように作用する。
糖質の代謝過程へ作用する。血液中のブドウ糖を筋や脂肪組織の細胞内へ取り込むことを促進。さらに肝臓や筋肉、脂肪組織も細胞内に取り込んだブドウ糖からグリコーゲンを合成し貯蔵することを促進する。
体内で血糖値を低下させる作用を持つ唯一のホルモン
タンパク質の代謝過程へ作用する。血液中のアミノ酸を筋細胞内に取り込み、タンパク質合成を促進させる。
脂質の代謝過程へ作用する。脂質が脂肪酸とグリセロールに分解することを抑制させ、細胞内貯蔵を促進させる。
グルカゴン
α細胞で産生分泌。インスリンとは逆の作用をする
肝臓に貯蔵されたグリコーゲンの分解促進。アミノ酸からのブドウ糖合成の促進。血中ブドウ糖濃度を上昇させるように作用する。
脂肪分解を促進し、血中脂肪酸を増加させる。脂肪酸は肝臓でケトン体合成の基質となるため、結果的にはケトン体合成を促進させることになる。
ソマトスタチン
δ細胞で産生分泌。インスリン、グルカゴンの産生分泌を抑制する。また消化管からの栄養吸収を抑制作用がある。
膵ポリペプチド
F細胞で産生分泌。採食の刺激によって産生分泌が促進。膵臓で産生される消化酵素の分泌抑制したり、胆嚢を拡張作用がある。

代表的な肝臓疾患

イヌ伝染性肝炎
アデノウイルスⅠ型に感染した犬の唾液や糞尿に接触したり、それらに汚染された物に接触することで感染する。感染力は強くはないが、回復後も6~9ヵ月間ウイルスを排出し続けるため他動物へ感染させないよう生活に注意が必要。肝細胞の中にもウイルスが入り込む。
症状は、2~8日間の潜伏期間後に元気消失、食欲低下、持続性の発熱、呼吸器系症状、下痢、嘔吐を伴う慢性~急性の肝炎症状、浮腫、神経症状、ブルーアイなど抗体検査で検出されるが、比較的死亡率が高い。
治療は対症療法で自己免疫を待つが、肝臓で免疫細胞をつくるので厳しいことが多い。
ウイルス疾患なので特効薬がない。
感染動物は隔離して管理し、嘔吐がない場合高栄養の食事を与え動物の体力保持を徹底管理する。
ワクチンで予防することが出来る。

レプトスピラ症
人にも感染する細菌(スピロヘーター)の一種。野生では特にげっ歯類が保有している。
レプトスピラに感染している動物の尿や尿に汚染された水に皮膚、粘膜、傷面が間接的にでも接触することにより感染する。咬傷でも感染。肝臓と腎臓で増殖する。
症状は感染したレプトスピラの病原性や動物の感受性によって様々。犬での発症が多く、猫では通常不顕性感染でキャリアーになる。無症状なので、外にでてネズミを捕まえてしまう場合は注意が必要。
感染動物の尿から排出され、人にも感染する事から、感染動物は隔離し衛生管理消毒は厳重に行う。
急性型 :高熱、全身筋肉の弛緩、消化器症状、脱水、腎肝不全、点状出血
急死の可能性が極めて高い。
亜急性型:消化器症状、脱水、出血性胃腸炎、腎肝炎
死亡することもあり、回復しても慢性型に移行することが多い。
慢性型 :腎炎。不顕性感染も認められる。
抗体検査、血液、尿、レントゲン検査で診断する。
治療は抗菌薬の投与、輸液。腎臓の尿細管に長期間寄生するため、症状改善後も2週間以上は抗菌剤の投与を行う。また腎臓から排除するため積極的な輸液を行う。
回復後も長期間尿中に排出されるため家での管理を厳重に行い、治療期間も長くなってしまう事を十分説明する。
ワクチンで予防することが出来る。

中毒性肝炎
化学薬品、自然毒、医薬品などあらゆる物質に含まれており、感受性には個体差もあるので原因の特定が難しい場合が多い。(除草剤、殺鼠剤、首に巻くタイプのダニ予防薬、草花、ラジエーター、ネギ類、洗剤、人用の薬など)
臨床症状は無症状から重篤な肝不全を示すものまで様々で、重篤な場合は神経症状や敗血症ショックが見られる場合もある。突然の激しい嘔吐下痢、虚脱や昏睡などが症状として現れる場合もある。
問診でいつどこで何をどうしたのか、どのくらい飲んだのか、関係なさそうだと飼い主さんが思っていることも全て聞き出す事が必要。
治療は対症療法、輸液。
中毒物質と接触した際には初期対処が重要で
皮膚、眼などに触れた時:大量の水で洗う
飲み込んだ時:嘔吐させられる物であれば嘔吐させる。
水が飲めるなら大量の水を飲んで濃度を薄める
無理なら、なるべく血中に回らせないため興奮させずに安静にする。
新鮮な空気を吸引させる。

慢性進行性肝炎
半年以上の経過で肝細胞の壊死と線維化が徐々に進行し、最終的に肝硬変から肝不全を引き起こす。比較的犬に多くみられる。ウエスティ、ドーベルマン、ピンシャーなどは遺伝的に銅を蓄積し慢性進行性肝炎を引き起こすことがある。
肝臓は半分以上が障害されるまでは症状や検査に異常がほとんど見られず、進行するにつれて元気消失、食欲不振、体重減少、消化器疾患、多飲多尿、腹水、黄疸などが見られるようになる。
血液、尿、レントゲン、エコー検査、肝臓生検で診断する。
治療は免疫抑制剤、利胆薬、利尿薬、輸液など
常に新鮮な水が飲めるようにし、清潔な環境を保つ。良質なたんぱく質が少量含まれる食事を与え、十分なエネルギー量を確保する必要がある。投薬や食事療法が長期に及ぶため、十分な説明が必要で、症状改善後も定期的な肝臓機能の検査が必要である。
 
肝リピドーシス
特に肥満した猫に多くみられ、肝細胞内に脂肪が大量に蓄積されるために、肝細胞の機能が著しく低下した状態に陥る。3日以上の食欲不振、採食拒否により、栄養が足りなくなることから身体を守ろうと、肝臓に脂肪を蓄積してしまうことでおこるため、入院ホテル外出中に特に注意が必要。
元気消失、沈鬱、発熱、消化器症状、黄疸、食欲廃絶などがおこり、症状が進行すると肝性脳症や肝不全を引き起こす
血液、レントゲン、エコー検査で診断する。
治療は、猫が自発的に食事を取れるようになるまでの強制給餌。制吐薬や抗不安薬などの対症療法。症状が落ち着いたら、徐々に猫の体重を減少させていき、ストレスのかからない環境を保つ。

肝性脳症
重篤な肝胆道系疾患の動物で、中枢神経障害を思わせる様々な症状を現わしている状態。吸収された腸内細菌の毒素を肝臓で解毒出来ないため中枢神経系が毒素で障害を受ける。門脈循環シャント、伝染性肝炎、中毒性肝障害、肝硬変、肝腫瘍で引き起こしやすい。
食欲不振、発熱、流涎、消化器症状、運動失調、ヒステリー、痴呆、攻撃的な性格変化、旋回運動、発作など様々な症状がある。
たんぱく質が分解吸収される際にNH3という毒素が発生しそれが脳へ行くので食事の後に症状が出る。ご飯を食べると具合が悪くなると本人もわかるので、低たんぱくの野菜、イモ類を好んで食べるようになる。
血液、尿、レントゲン、エコー検査などで診断する。
治療は原因となっている疾患の治療を行う。腸内細菌数を抑えるため抗菌薬の投与。
毒素を上昇させないため、低たんぱく食を与える。安静にする。

膵臓の疾患

膵炎
何らかの原因によって自らが産生する消化酵素によって膵臓が障害を受ける。
胃、十二指腸など周囲の臓器や全身の組織が様々な障害を受ける事もある。
急性膵炎では短期間で突発的に症状を現わすが、慢性膵炎は不可逆的に膵臓が障害される。
犬では嘔吐下痢などの消化器症状がみられ、腹痛のために祈りの姿勢が見られる事があるが、猫では症状がはっきりしない事が多い。
血液、尿、レントゲン、エコー検査で診断するが確定診断が難しい事が多い。
治療は
急性膵炎の場合は、経口的な食事の制限をし輸液を行う。必要に応じて抗菌薬、鎮痛薬、ステロイドの投与。食事は数日ごとに与えたり、増やしたりする。少量の食事を数回に分けて少しづつあたえていく。症状が回復しても、食事制限を継続する必要がある場合が多く、肥満している場合減量も必要になる。
慢性膵炎の場合は、対症療法。タンパク、高脂肪食を避ける厳重な食事療法が必要。

膵外分泌不全
膵臓による消化酵素の分泌が減少していき、栄養素の消化吸収不全に陥り、徐々に消耗していく疾患。
シェパードでは遺伝による水害分泌不全もある。
食欲亢進、体重減少、便量の増加、慢性の水溶性下痢、脂肪便、腹痛などの症状がみられる
便検査、血液検査で診断する
治療は対症療法。食事療法が中心で高消化性、低脂肪、低繊維の食事を与える。消化酵素薬を経口的に投与し、消化を助ける。
高齢犬では糖尿病を併発していることもあるので注意が必要。

糖尿病
高齢になると発症率が高くなり、犬では避妊していない雌犬で発生率が高く、猫は去勢した雄猫、肥満猫での発生率が高い。
Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病に分けられる。
Ⅰ型糖尿病は全体の20%程で、犬のほとんどがⅠ型糖尿病。
ランゲルハンス島が何らかの原因で破壊され、インスリンの量が不足して起こる。
インスリンの治療が必要になる。
Ⅱ型糖尿病は全体の80%程で、猫のほとんどがⅡ型糖尿病。
インスリンの分泌量が不足または、従来通り分泌されているが働きが鈍くなり発症する。食事管理で維持でき、インスリン治療が必要なくなる事もある。
典型的な症状は、多飲多尿、多食、脱水、肥満の子および末期には削痩する。
急性の合併症に昏睡、ケトアシドーシスによる消化器症状がある。
犬では白内障を合併する事があり、猫では歩行異常、膵炎、肝リピドーシスを併発していることもある。
血液、尿検査で診断。
空腹時の血糖値が犬で200mg/dl以上、猫で250mg/dl以上を示す。
治療はインスリン療法
症状が安定したら肥満している動物は食事療法で減量も行う。
高繊維、低脂肪食で2~4ヶ月かけて理想体重までに減少させる。満腹感を味わえる量、エネルギー的には理想体重の犬で60%、猫で70%を目安に与える。
猫では急激な減量は肝リピドーシスを引き起こす可能性があるので避ける。
肥満のない動物は栄養バランスのとれた食事を毎日一定量で与える事が重要。
削痩している場合は低エネルギー食をあげてはいけない。

ケトアシドーシス性糖尿病とは
糖尿病は細胞内のブドウ糖不足を補うために肝細胞、脂質からブドウ糖が合成される。
脂質からのブドウ糖合成の際に、ケトン体という物質も産生され。健康な動物の血中にもケトン体は低濃度に存在するが、高濃度になると有害となる。糖尿病では感染症、ストレスなどのきっかけによりケトーシスに陥ることがある。血中のケトン体からは水素イオンも産生されるため体液が酸性に傾きケトーシスから代謝性アシドーシスに進行する。
ケトアシドーシスに陥った糖尿病では電解質の枯渇や脱水を伴い、非常に重篤で緊急を要する症状を示す。
ケトーシスが認められず、非常な高血糖、高浸透圧、重度の脱水、軽度~中程度の代謝性アシドーシスと、中枢神経性の抑うつ状態やてんかん発作が認められる場合を非ケトーシス性高浸透圧症候群という。

糖尿病治療のインフォーム
家でインスリンの投与を行うなど、実際に糖尿病の治療で大変なのは家族なので病気の状態を良く説明し、治療をどう継続していけるのかしっかり話し合う。日常の様子や食事、運動状況を管理してもらい来院時に詳しく聴きとる。犬では完治しないが、猫では再発の可能性もあるが回復する可能性についても説明し、どちらにしてもコントロールが成功すれば寿命が全うできることも合わせて説明する。インスリン投与のタイミング、食事タイミングの関連性、尿糖、ケトンを定期的に検査する
毎日一定量の運動をする。運動によってブドウ糖を消費することが出来れば、インスリンの必要量を減少させることが出来る。
体重の増減によってインスリンの量が変わるので体重管理を行う
血糖値コントロールがきちんと出来ているか定期的な検査を行う
血糖値の調節に関わるホルモンおよび自律神経とのバランスが乱れ、低血糖に陥る事がある。低血糖に陥ると最悪昏睡から死に至る事もあるので、低血糖の可能性がある場合、グルコースや砂糖水などの投与を自宅で緊急的に行う必要があることを説明する。上記のことをきちんと話し合い説明してから治療を始める。

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いかがでしたでしょうか。
機能構造については肝臓膵臓ともに様々な働きをしているので難しいところもありますが、両方とも重要な臓器ということがわかります。
機能が理解できると、看護のポイントももう少し具体的になれると思います。
今後もよりよい看護ができるよう学び、お伝えさせていただきます。

看護師 坂本恵

看護師セミナー11 整形外科Ⅱ

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は前回に引き続き整形外科のⅡになります。前回は用語基礎知識でしたが、今回は疾患や治療法、リハビリテーションについてを学んでまいりました。
整形外科疾患は遺伝性疾患も多いですが、体重管理などで予防や進行を遅らせたりするものもあります。
まずはどんな疾患があるのか、リハビリの知識などをつけていくための講座になっています。

以下内容
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整形外科Ⅱ

整形外科疾患は運動系の疾患か、神経系の疾患かを鑑別して治療をおこなう必要がある。しかし、鑑別診断がつかないで治療を行わなければいけない場合も多く、運動器系、神経系両方の面から診察診断を行わなければならない。
診察時、痛みを抱えている動物は特に不安や恐怖を感じていることが多いので負担が生じないよう注意しながら保定、介助をおこなうこと。また、いつも来院している大人しい動物でも、通常と異なる痛みや恐怖がある場合、普段では考えられないような凶暴な行動に出ることもあるので十分な注意が必要。そのような行動が出てしまう前に飼い主さんには痛みが強い場合、性格の急変がある場合があるので驚かないように助言をしておくと、何かあったときの心のダメージを先にケアしてあげることが出来る。問診の段階で初めての症状なのか、いつからなのかを聞きその症状が慢性のものなのか、急性のものなのか判断しておく。急激な痛みや興奮により努力性呼吸がみられる場合もあり、そのまま激痛による意識消失や呼吸不全が起こる可能性もあるので、これ以上興奮させないように細心の注意を払いながら観察、保定、検査を行う。特に急性の症状のある重症患者は要注意である。
整形外科疾患での診断に必要検査には、歩様検査、触診、関節液検査、レントゲン検査、CT検査、MRI検査などがある。その子によって必要検査が異なるので、事前に確認し準備を行う。一般的に行われるレントゲン検査でも、骨折や頸椎亜脱臼が疑われる子は痛みによるショック状態に陥ってしまう事がないかよく観察し、保定の向きなど注意する。
整形外科疾患の代表的な疾患

骨折
骨折にも様々な要因があり、その要因によって呼び方が異なる。
強い外力を受ける(落下事故、交通事故など):外傷性骨折
骨強度の低下による(骨肉腫、腫瘍の骨転移、骨粗鬆症など):病的骨折
過度な運動による(アジリティ、レースなど):疲労骨折
医療行為による(下顎歯周病治療、抜歯など):医原性骨折  と呼ぶ
近年では小型動物(トイプードル、ポメラニアンなど)の骨折が多い。骨が細いことやそれに伴い筋肉の細さもあり、ふいに飛び降りた瞬間に骨折してしまうことがある。
力をこめて、動物自身が準備態勢に入ってからの飛び降りはある程度の高さでも大丈夫なことが多いが、ふいに力をこめず飛び降りた場合は、膝ほどの低さでも骨折してしまうことがあるので注意が必要。
治療法としては、手術でプレートやピンで内固定するか、ギブスなどで外固定を行う。

膝蓋骨脱臼
膝蓋骨が内方または外方に脱臼してしまう状態。小型犬に多くみられ、小型犬では内方脱臼が多く、中型犬以上では外方が多い。先天性、遺伝性の場合が多いが、後天性や転んだことによる外傷性でなる場合もある。
症状によりⅠ~Ⅳのグレード分けが出来る。
グレードⅠ:膝蓋骨を押すと脱臼するが、放すと元の位置に戻る。
グレードⅡ:膝蓋骨を押すと脱臼し、放しても元の位置に戻らない。
 グレードⅢ:基本脱臼しており、押すと戻るが放すとまた脱臼する。
グレードⅣ:基本脱臼しており、押しても戻らない。
症状はグレードにより異なるが、患肢の挙上、疼痛、腫脹などがみられる。 治ることはなく、グレードが進むにつれその状態に慣れてしまい痛みがなくなってみえることがある。
体重が増えることで負担も増え、悪化する要因の一つとなる。
治療は先天性の場合早期(2カ月齢以内)にリハビリテーションで良くなる場合があるが、遺伝性疾患のため繁殖は避ける。後天性の場合は、外科手術だがグレードや骨の形状により様々な術式がある。

前十字靭帯断裂
膝の内側にある靭帯の断裂。靭帯疾患の中で最も多い。ジャンプ後など膝への過負荷による外傷性で断裂することがほとんどで、より過負荷になる中高齢の肥満犬に多い。
症状は、患肢の挙上だが膝蓋骨脱臼と違い、挙上し続けずに床につくこともある。患肢への体重負重はできていないが四肢で立つ。(起立姿勢のバランスは悪い) 疼痛、膝関節の不安定なども症状にある。
診断時、靭帯はレントゲンにうつらないので、大腿骨と脛骨の位置で判断する。
靭帯は繊維状になっているため、すべてが断裂している場合もあれば、半分のみの場合もあるので、慎重な判断が必要。
治療は、肥満解消、外科手術だが小型犬では保存療法という方法もある。 5㎏以下の小型犬は体重負荷が軽いので、靭帯が断裂したままでも慣れるに従い普通に痛みなく歩けてしまう子も多い。しかし加齢に伴い慢性関節炎を併発する可能性や、半月板損傷する可能性が高いので、保存療法を選ぶ場合将来の関節炎のリスクは説明しておく。
体重負荷の多い子は、反対側の靭帯も1年以内に断裂する可能性が高い。特に術後、患肢をかばって歩くのでその際に対肢を断裂することがあるため注意が必要。回避するためにも、体重管理、減量、運動制限などを徹底的におこなう。 膝蓋骨脱臼と同様に術式は様々ある。

股関節形成不全
遺伝性の疾患で、成長期の大型犬に多い。股関節の発育が不十分で、成長するにつれて骨頭や寛骨臼の変形、骨の厚みが増し白くなるなどがレントゲンでみられる。
症状は疼痛、歩様の変化(腰を振って、頭を下げて歩くなど)など。また後肢の負重を減らす歩行をするため、後肢の筋肉が廃用萎縮し後肢まわりのみ細くみえたり、起立するまでに時間がかってしまったりする。
治療は初期は安静、疼痛管理、体重制限など。疼痛が強い場合手術も検討される。

レッグ・ペルテス(大腿骨頭壊死症)
遺伝性の疾患で、1歳未満の小型犬(トイ・プードル、ヨークシャー・テリア)に発症することが多い。成長期に大腿骨頭への栄養血管が遮断されることで、大腿骨頭が壊死をおこす疾患。ほとんどが片側性で、生後6か月前後で後肢跛行や疼痛の症状が出る。レントゲンで大腿骨頭の変形や、骨の吸収像がみられる
治療は外科手術。

変形性関節炎
関節の軟骨疾患で慢性に進行し、元に戻らない関節軟骨の変形を生じさせる。 シェットランド・シープ・ドックに多い。
肥満など関節に異常な負荷がかかったり、加齢性に軟骨変化がおきた際に発症する。
レントゲンで軟骨の消失、周縁の骨増殖がみえる。
症状は関節炎、跛行、可動域の減少が徐々に進行する。
治療は対症療法として鎮痛薬の投与など。進行の遅延、防止を目的として、運動制限や肥満防止、減量などの体重管理。完治はできない。

リハビリテーション
整形外科疾患において、術前後のリハビリテーションが非常に重要になる場合がある。
リハビリテーションの目的は低下していくQOLの向上、維持、または低下の速度の遅延を目的としている。家族と病院スタッフ全員がチームになって関わらなければ上手くいかない。始める際には目標を決め、1回の短期的な目標(何を何回、毎日やるなど)と一定期間後の到達目標(ここまで出来るように、維持するなど)を立てる。一定期間後の目標は途中で変えても良いので、飼い主のモチベーションを下げない事が一番重要。関係者全員が同じ目標に向かって、無理なく行えるように配慮する。整形外科疾患だけではなく、椎間板ヘルニアなどの神経学的疾患や関節炎などの高齢疾患、また肥満予防、体重減量のためにリハビリテーションが利用されることもある。犬や猫はリハビリをしているという感覚がなく、人がかまってくれ、楽しく遊びながら出来る事が一番である。これは人も同じで、人が楽しんでその子と関われないと成功しない。なるべく人も動物も無理なく、無理させないプログラムの提案が必要。動かない肢を無理に動く様にする、というよりは動けると錯覚させ筋肉神経を刺激する事がリハビリのポイント。これにより、実際に動かすようになる子もいる。動物看護師として最も重要な仕事は、飼い主さんが問題や疑問を言いやすい環境作りである。

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いかがでしたでしょうか

整形外科疾患にはもっとたくさんの疾患がありますが、よく見てあげることで早期に気付けるものもあります。
また最後にまとめてありますリハビリテーションはその子に合わせて色々な方法を考えてあげる事が出来ます。
たくさん関わって、より良い看護ができるようにしていきたいです

看護師 坂本恵