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  看護師通信

看護師セミナー11 整形外科Ⅱ

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は前回に引き続き整形外科のⅡになります。前回は用語基礎知識でしたが、今回は疾患や治療法、リハビリテーションについてを学んでまいりました。
整形外科疾患は遺伝性疾患も多いですが、体重管理などで予防や進行を遅らせたりするものもあります。
まずはどんな疾患があるのか、リハビリの知識などをつけていくための講座になっています。

以下内容
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整形外科Ⅱ

整形外科疾患は運動系の疾患か、神経系の疾患かを鑑別して治療をおこなう必要がある。しかし、鑑別診断がつかないで治療を行わなければいけない場合も多く、運動器系、神経系両方の面から診察診断を行わなければならない。
診察時、痛みを抱えている動物は特に不安や恐怖を感じていることが多いので負担が生じないよう注意しながら保定、介助をおこなうこと。また、いつも来院している大人しい動物でも、通常と異なる痛みや恐怖がある場合、普段では考えられないような凶暴な行動に出ることもあるので十分な注意が必要。そのような行動が出てしまう前に飼い主さんには痛みが強い場合、性格の急変がある場合があるので驚かないように助言をしておくと、何かあったときの心のダメージを先にケアしてあげることが出来る。問診の段階で初めての症状なのか、いつからなのかを聞きその症状が慢性のものなのか、急性のものなのか判断しておく。急激な痛みや興奮により努力性呼吸がみられる場合もあり、そのまま激痛による意識消失や呼吸不全が起こる可能性もあるので、これ以上興奮させないように細心の注意を払いながら観察、保定、検査を行う。特に急性の症状のある重症患者は要注意である。
整形外科疾患での診断に必要検査には、歩様検査、触診、関節液検査、レントゲン検査、CT検査、MRI検査などがある。その子によって必要検査が異なるので、事前に確認し準備を行う。一般的に行われるレントゲン検査でも、骨折や頸椎亜脱臼が疑われる子は痛みによるショック状態に陥ってしまう事がないかよく観察し、保定の向きなど注意する。
整形外科疾患の代表的な疾患

骨折
骨折にも様々な要因があり、その要因によって呼び方が異なる。
強い外力を受ける(落下事故、交通事故など):外傷性骨折
骨強度の低下による(骨肉腫、腫瘍の骨転移、骨粗鬆症など):病的骨折
過度な運動による(アジリティ、レースなど):疲労骨折
医療行為による(下顎歯周病治療、抜歯など):医原性骨折  と呼ぶ
近年では小型動物(トイプードル、ポメラニアンなど)の骨折が多い。骨が細いことやそれに伴い筋肉の細さもあり、ふいに飛び降りた瞬間に骨折してしまうことがある。
力をこめて、動物自身が準備態勢に入ってからの飛び降りはある程度の高さでも大丈夫なことが多いが、ふいに力をこめず飛び降りた場合は、膝ほどの低さでも骨折してしまうことがあるので注意が必要。
治療法としては、手術でプレートやピンで内固定するか、ギブスなどで外固定を行う。

膝蓋骨脱臼
膝蓋骨が内方または外方に脱臼してしまう状態。小型犬に多くみられ、小型犬では内方脱臼が多く、中型犬以上では外方が多い。先天性、遺伝性の場合が多いが、後天性や転んだことによる外傷性でなる場合もある。
症状によりⅠ~Ⅳのグレード分けが出来る。
グレードⅠ:膝蓋骨を押すと脱臼するが、放すと元の位置に戻る。
グレードⅡ:膝蓋骨を押すと脱臼し、放しても元の位置に戻らない。
 グレードⅢ:基本脱臼しており、押すと戻るが放すとまた脱臼する。
グレードⅣ:基本脱臼しており、押しても戻らない。
症状はグレードにより異なるが、患肢の挙上、疼痛、腫脹などがみられる。 治ることはなく、グレードが進むにつれその状態に慣れてしまい痛みがなくなってみえることがある。
体重が増えることで負担も増え、悪化する要因の一つとなる。
治療は先天性の場合早期(2カ月齢以内)にリハビリテーションで良くなる場合があるが、遺伝性疾患のため繁殖は避ける。後天性の場合は、外科手術だがグレードや骨の形状により様々な術式がある。

前十字靭帯断裂
膝の内側にある靭帯の断裂。靭帯疾患の中で最も多い。ジャンプ後など膝への過負荷による外傷性で断裂することがほとんどで、より過負荷になる中高齢の肥満犬に多い。
症状は、患肢の挙上だが膝蓋骨脱臼と違い、挙上し続けずに床につくこともある。患肢への体重負重はできていないが四肢で立つ。(起立姿勢のバランスは悪い) 疼痛、膝関節の不安定なども症状にある。
診断時、靭帯はレントゲンにうつらないので、大腿骨と脛骨の位置で判断する。
靭帯は繊維状になっているため、すべてが断裂している場合もあれば、半分のみの場合もあるので、慎重な判断が必要。
治療は、肥満解消、外科手術だが小型犬では保存療法という方法もある。 5㎏以下の小型犬は体重負荷が軽いので、靭帯が断裂したままでも慣れるに従い普通に痛みなく歩けてしまう子も多い。しかし加齢に伴い慢性関節炎を併発する可能性や、半月板損傷する可能性が高いので、保存療法を選ぶ場合将来の関節炎のリスクは説明しておく。
体重負荷の多い子は、反対側の靭帯も1年以内に断裂する可能性が高い。特に術後、患肢をかばって歩くのでその際に対肢を断裂することがあるため注意が必要。回避するためにも、体重管理、減量、運動制限などを徹底的におこなう。 膝蓋骨脱臼と同様に術式は様々ある。

股関節形成不全
遺伝性の疾患で、成長期の大型犬に多い。股関節の発育が不十分で、成長するにつれて骨頭や寛骨臼の変形、骨の厚みが増し白くなるなどがレントゲンでみられる。
症状は疼痛、歩様の変化(腰を振って、頭を下げて歩くなど)など。また後肢の負重を減らす歩行をするため、後肢の筋肉が廃用萎縮し後肢まわりのみ細くみえたり、起立するまでに時間がかってしまったりする。
治療は初期は安静、疼痛管理、体重制限など。疼痛が強い場合手術も検討される。

レッグ・ペルテス(大腿骨頭壊死症)
遺伝性の疾患で、1歳未満の小型犬(トイ・プードル、ヨークシャー・テリア)に発症することが多い。成長期に大腿骨頭への栄養血管が遮断されることで、大腿骨頭が壊死をおこす疾患。ほとんどが片側性で、生後6か月前後で後肢跛行や疼痛の症状が出る。レントゲンで大腿骨頭の変形や、骨の吸収像がみられる
治療は外科手術。

変形性関節炎
関節の軟骨疾患で慢性に進行し、元に戻らない関節軟骨の変形を生じさせる。 シェットランド・シープ・ドックに多い。
肥満など関節に異常な負荷がかかったり、加齢性に軟骨変化がおきた際に発症する。
レントゲンで軟骨の消失、周縁の骨増殖がみえる。
症状は関節炎、跛行、可動域の減少が徐々に進行する。
治療は対症療法として鎮痛薬の投与など。進行の遅延、防止を目的として、運動制限や肥満防止、減量などの体重管理。完治はできない。

リハビリテーション
整形外科疾患において、術前後のリハビリテーションが非常に重要になる場合がある。
リハビリテーションの目的は低下していくQOLの向上、維持、または低下の速度の遅延を目的としている。家族と病院スタッフ全員がチームになって関わらなければ上手くいかない。始める際には目標を決め、1回の短期的な目標(何を何回、毎日やるなど)と一定期間後の到達目標(ここまで出来るように、維持するなど)を立てる。一定期間後の目標は途中で変えても良いので、飼い主のモチベーションを下げない事が一番重要。関係者全員が同じ目標に向かって、無理なく行えるように配慮する。整形外科疾患だけではなく、椎間板ヘルニアなどの神経学的疾患や関節炎などの高齢疾患、また肥満予防、体重減量のためにリハビリテーションが利用されることもある。犬や猫はリハビリをしているという感覚がなく、人がかまってくれ、楽しく遊びながら出来る事が一番である。これは人も同じで、人が楽しんでその子と関われないと成功しない。なるべく人も動物も無理なく、無理させないプログラムの提案が必要。動かない肢を無理に動く様にする、というよりは動けると錯覚させ筋肉神経を刺激する事がリハビリのポイント。これにより、実際に動かすようになる子もいる。動物看護師として最も重要な仕事は、飼い主さんが問題や疑問を言いやすい環境作りである。

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いかがでしたでしょうか

整形外科疾患にはもっとたくさんの疾患がありますが、よく見てあげることで早期に気付けるものもあります。
また最後にまとめてありますリハビリテーションはその子に合わせて色々な方法を考えてあげる事が出来ます。
たくさん関わって、より良い看護ができるようにしていきたいです

看護師 坂本恵

猫ちゃんの血液型

みなさんこんにちは!看護師の阿部です。
やっと雪が解け始め、だんだんと春を感じる日が増えてきましたね。暖房の前であったまる猫ちゃんも、もうそろそろ窓辺で日向ぼっこする日が増えてくる頃でしょうか?個人的に寒いのは苦手なので早くあったかくなってほしい気持ちもある反面、我が家の猫たちはあったかくなるとお布団に入って一緒に寝てくれないので、なんだか寂しい気もします…(笑)

さて、今回は血液型についてのお話です。

人でA・B・O・AB型に血液型が分かれているように、わんちゃんやねこちゃんにも血液型というものがあります。ねこちゃんの場合、血液型の分類はA型抗原とB型抗原の組み合わせによりA・B・AB型の3つに分類されます。人と違ってねこちゃんの血液型にO型はありません。日本猫の9割がA型で、種類によってはB型もみられますがAB型は非常にまれだといわれています。人と同じように、わんちゃんやねこちゃんでも輸血を必要とする場合があります。
・事故や怪我により大量出血をしたとき
・大きな病気やけがで手術を行うとき
・貧血性の病気の治療のため

などです。

動物の場合、人でいう血液バンクのような機関がありません。なので、輸血が必要なときは献血していただける猫ちゃんに協力してもらうことになります。現在、当院ではホームページでも掲載されている通り、“輸血の輪”という、輸血にご協力いただけるわんちゃん・ねこちゃんを募集しております。

条件は以下の通りです。

*輸血の輪*

条件
・8歳までの健康な子
・犬15㎏以上、猫3.5㎏以上
・各種予防を行っている子
・過去に輸血を受けた経験のない子

また、猫ちゃんの場合、FIV(猫エイズ)、FeLV(猫白血病)など血液の感染症にかかっていない子が対象となります。

※負担がないようご協力依頼は最大でも年1回までです。

特典
・年に一回の血液健康診断の無償提供

 
ただし、輸血をする際ドナー(輸血する子)とレシピエント(輸血される子)の血液が必ずしも合うとは限りません。お互いの血液が合わない場合、強い輸血副反応がみられ命に関わることがあります。輸血を行う前には必ず、ドナーの猫ちゃんも貧血などがないのか一般状態の確認と、お互いの血液が合うのか、双方の血液反応を調べるクロスマッチ試験というものを行います。

この輸血の輪によりご協力していただいたわんちゃん、ねこちゃん、そして飼い主様のおかげで繋がった命もたくさんあります。我が家のにゃんこも数年前、輸血に協力した経験があります輸血をした猫ちゃんは元気になり、飼い主様もとても嬉しそうに退院されたことが今でも印象に残っています。

みんな健康でいてくれることが一番ですが、動物病院で看護師として働いていて、みんな元気になって退院してくれることと、飼い主様が笑顔になってくれることはとても嬉しいことです。

 

ご協力いただける方がおりましたら、当院までお問合せください。

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看護師セミナー10 整形外科Ⅰ

こんにちは。看護師の坂本です。

今回は整形外科を学んでまいりました。
整形外科Ⅰでは概論で少し触れた、骨格、筋肉などの基本知識と痛みによる歩行状態の変化についてです。
骨格の基本を今回学び、次回整形外科Ⅱでは疾患や検査について学びます。
ほとんどの哺乳類は骨格構造がほぼ同じといわれています。
人の骨と似ているところもあるので、何となくわかっている方も多いとは思いますが基本知識をまとめております。

以下内容
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整形外科Ⅰ

筋骨格系の構造、機能
骨、筋肉、関節、腱、靭帯などを合わせて筋骨格系と呼び、動物が正常に適切な運動が出来、健全な日常生活を送ることが出来るためにはこの筋骨格系の役割が重要。過度な運動や体重、加齢により、筋骨格系に不全をおこすと、移動や起立困難など生活や生命の維持に障害をもたらすことになる。無計画な繁殖などで筋骨格系に遺伝性疾患を持つ動物が作られてしまう事もある。近年では、QOLの向上のためにリハビリテーションや積極的な整形外科手術が行われることも多くなった。

骨格
複数の骨が組み合わさって出来る骨格は、骨組みとして体を維持するだけではなく、内臓などの柔らかく、重要な組織を守る役割も担っている。そのほかにも、体内の約99%のカルシウムを貯蔵したり、骨髄で血液を作るなどの働きをしている。 歯のエナメル質の次に硬い物質で、カルシウム、コラーゲン、コンドロイチンで構成されることで固さの中に多少のしなりを持つ。

骨の構造
海綿骨
スポンジのように柔らかく細かな網目状の構造。その隙間が骨髄で満たされている。骨の一番内側の層。骨折修復時、ピンを入れる場所。
緻密(皮質)骨
骨表面の硬く密度のある部分。血管、リンパ管、神経などが通っている。縦法方向に伸びる管をハバース管と呼び、横方向に(骨髄へ)伸びる管をフォルクマン管と呼ぶ。骨細胞があり、他の骨細胞と連絡して栄養の移動や、老廃物の排除なども行う。
骨膜
繊維組織で出来た骨表面を覆う膜。骨の直径を太くし、骨折時の治癒にも働く。骨膜には神経が多いので、痛みが強い。
骨髄
造血組織を含み多くの血管が分岐する赤色骨髄と、すでに造血機能が失われ脂肪がおもな成分となる黄色骨髄がある。
骨端軟骨
長骨の端にあり、成長する際に起点として骨が伸びる(成長線)。動物の成長が止まると骨化し伸びなくなる。この部分の骨端線のレントゲンである程度の年齢がわかる。ここの成長線が骨折してしまうこともあり、その場合骨の成長が止まってしまう事がある。

 脊椎の解剖
第1頸椎を環椎、第2頸椎を軸椎と呼ぶ。頭蓋骨から環軸椎までは椎間板と呼ばれる衝撃吸収や骨の動きをスムーズにする仕組みがなく、第三頸椎から尾椎までの椎骨間には椎間板がある。肋骨は同じ番号の胸椎の横突起と肋軟骨で繋がるが、第13肋骨は胸骨に繋がっていないので筋肉内で終わっており浮遊肋骨と呼ばれる。
骨盤の解剖
骨盤は寛骨と呼ばれ、腸骨、恥骨、座骨の3つの骨が繋がって出来る。生まれてすぐの幼少期時代にはレントゲンで繋がっている場所の線が見えるが次第に見えなくなり、一つの骨に見えるようになる。
頭蓋骨の解剖
犬の頭蓋骨は大きさや形など犬種によって形が異なるが、猫は大体同じ形をしている。

関節
骨同士を繋ぎ、動きを滑らかにする構造。骨端同士の間を関節腔といい、関節包に包まれている。骨端の関節面は関節軟骨でおおわれ、関節包の内壁には滑膜がある。滑膜内で滑液を分泌し動きを滑らかにしている。関節炎の際には関節包内に滲出液がたまり、関節が腫れる事がある。関節包の特定部位には靭帯があり、関節運動の方向や範囲を決めている。この靭帯が過進展すると損傷し、捻挫と言う状態となる。関節はそれぞれ場所により形が異なる。

筋肉
骨格を動かす骨格筋と心臓壁をつくる心筋は横紋筋で、内臓や血管の壁をつくるのは平滑筋。この内、意志によって収縮伸展が出来る骨格筋は随意筋であり、平滑筋と心筋は不随意筋である。 骨格筋は関節をはさんだ骨と骨の間を繋いでいる。筋の両端は、腱がひもになって骨膜に付着し骨と強固に接続している。筋肉の性状により名称が異なり、頭筋、腹筋、鋸筋などがある。それぞれ場所により頭に数字がつく。筋肉が収縮した時に動く部分を終始部、動かない部分を起始部といい、同じ方向に働くものを協力筋、反対方向に作用するものを拮抗筋という。筋肉は層になって身体を守っている。

整形外科疾患のポイント
整形外科疾患の多くは痛みを伴うが、動物は痛みを限界まで隠す傾向がある。姿勢や歩行、生活態度の変化で痛みを察知してあげる事が必要になる。 また動物病院内ではより痛みを隠すことが多い、飼い主さんからの的確な主訴、問診での聴取から痛みによる変化なのかを察知する事になる。正常を理解し、何がおかしいかを分かってあげる。また運動器のみではなく、食欲不振や、性格の変化なども痛みの訴え方としてあることを理解しておく。

起立姿勢、歩行の異常
痛みのある肢に体重をのせようとせずに、反対側に身体を傾ける。微妙にしか傾かない場合もあるさらに痛みが酷い時には患肢を挙上する。この場合、熱感や腫れがないか確認する。期間が長い場合、四肢の使い方に差が出るため筋肉の付き方にも変化が現れる。使用回数の少ない肢の筋肉は細くなり、足の太さに差が出る。 また普段と様子が異なり、立ち尽くしていたりする場合もある。 歩行様式を診るためには出来るだけゆっくり歩かせる方が良い。これは痛い肢で支える時間を出来るだけ短くしようとする歩行をよく観察するためである。歩行リズムが乱れていたり、頭を上下に揺らしながら歩いている場合は痛みがある場合がある。神経系にも障害がある場合、甲部と肢端を引きずるように歩行し、爪の甲部がすり減っているなどの状態がみられる事がある。

これらを動物病院内で観察する場合、動物が滑らない、落ちない状態で行う事。どんなに自分ひとりで動けない状態であっても目を離さないようにする。 また触診時も最初から強く触りすぎないよう注意する。急に触れ傷めるとそれで悪化してしまう事もある。まずは健常な場所から触診をはじめること。保定もどこがどのような状態か判明していない間は全てに細心の注意を払う。レントゲン撮影時も余計な力がかかってしまわないように注意する。

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いかがでしたでしょうか。

骨や筋肉それぞれにも名称がありますが今回はそれらは知っているという前提でのもっと内部の基本知識でした。
次回の整形外科Ⅱではより具体的な疾患や検査について学んでまいります。
わんちゃん猫ちゃんの高齢化がすすみ始めている今、筋骨格疾患は皆様も気になる疾患の一つになっていると思います。しっかりと学び皆様の、わんちゃん猫ちゃんの役に立てるようになってまいります。

看護師 坂本恵

看護師セミナー9 血液・免疫学Ⅱ

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は血液・免疫学のⅡということで、免疫学を中心に学んできました。
免疫学も細胞の名前や仕組みが少し難しいので前半読み辛いかもしれませんが、後半に疾患についてをまとめます。
免疫疾患といっても想像付きにくいですが、ワクチンや食物のアレルギー、自分の細胞が自分に攻撃されてしまう疾患などが免疫疾患に含まれています。あまり多い疾患ではありませんが仕組みを知っておくと看護しやすいのではないかなと思います。

以下内容
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血液・免疫学Ⅱ
免疫とは一度かかった感染症が治ると再び同じ病気にはかかりにくいという概念。
なので、ワクチンを接種しても絶対防御ができるわけではなく、症状が出にくい、または軽くすむことができる状態にすることが出来る。免疫機能は生体防御機能に含まれる。

生体防御機能
病原体が体内に侵入・増殖しないために防御する能力のことをいう。
外界との境界面で病原体の侵入を防ぐバリア機能と、体内に侵入した異物を排除する免疫機能から構成される
バリア機能
皮膚や被毛、粘膜、腸管、気道など外界と触れる面で病原体の侵入を防ぐ。
免疫機能
骨髄由来の免疫機能を担当する細胞(免疫担当細胞)により異物を排除する。
免疫担当細胞には、単球、リンパ球、好中球、肥満細胞などがある
免疫機能には不特定多数のものの防御を行う非特異的生体防御と特異的に決まったものを防御する特異的生体防御があり、
好中球や好酸球、単球などは非特異的生体防御に関与している。急性期
リンパ球の中のT,B,NK細胞は特異的生体防御に関与している。慢性期

特異的生体防御機構のしくみ
異物(抗原)が初回侵入すると血管外から出た単球(マクロファージ)が抗原を捕らえ貪食。
マクロファージが分解した抗原の破片、情報をヘルパーT細胞に伝える
ヘルパーT細胞がキラーT細胞とB細胞に抗原の情報を伝え、2つの細胞を活性化
キラーT細胞はウイルスに感染した細胞などを破壊する。(細胞性免疫)
B細胞が分化してできた細胞(形質細胞)が抗体を産生する。(体液性免疫)
抗体はそれぞれ特定の抗原と結合し抗原を無効化、排除。(抗原抗体反応)
またB細胞は免疫記憶能力があるので、抗原の種類を記憶し、再度同じ抗原が侵入すると1回目より早く増殖分化をす
る。

非特異的生体防御機構
この抗体を作成している間に、その抗原が何であっても単独で抗原を貪食、排除するのが好中球、NK細胞である。
細菌は自己繁殖できるが、ウイルスは自己繁殖できないので細胞の中に入り、細胞が作り出すたんぱく質の流れに入るか、DNAなどの遺伝子の中に入り自己複製をしていく。
エイズ、白血病のウイルスはヘルパーT細胞の中に入ってしまうので、破壊できず完治ができない。

免疫疾患

バリア機能の破たんによる疾患
膿皮症や褥瘡、消化器疾患などが含まれる。皮膚、消化管粘膜、呼吸器などの上皮細胞が外傷やウイルス感染などで障害されると外界を遮るバリア機能が破たんする。また抗菌薬などの投与で消化管の正常細菌の減少や変化によって、病原体の増殖を防ぐ細菌学的バリアの破たんすることがある。
主症状は炎症徴候。皮膚感染ではかゆみ、脱毛など。消化管感染では嘔吐下痢など。呼吸器感染では発咳、呼吸様式の変化など。でこれらの部位を通じて感染が全身に広がる可能性があり、低体温、乏尿、意識障害などの敗血症性ショックを起こしてしまう事もある。各種画像診断、組織検査、薬剤の感受性試験などで全身状態を把握する。
治療は患部の洗浄(消毒はしない)、ドレッシング剤による保護、抗菌剤の投与など

免疫機能の低下
ウイルス感染、白血病などの骨髄疾患、クッシング、糖尿病や免疫抑制剤、抗がん剤の投与などは、免疫担当細胞の減少・機能低下をもたらし、病原体の侵入・増殖を抑えるための免疫機能を低下させる。
主症状は上記と同じ。各種血液検査、ウイルス検査、骨髄検査を行う
治療は原因が特定出来た場合、原因疾患に適した治療、対症療法など

アレルギー性疾患
Ⅰ型:ワクチン後のアナフィラキシーショック、アトピー性皮膚炎
Ⅱ型:免疫介在性溶血性貧血、天疱瘡
Ⅲ型:全身性エリテマトーデス(血管炎)
Ⅳ型: 食物アレルギー                       がある。
免疫機能が過剰に働くことにより、身体にとって有害な反応を引き起こすことをアレルギー反応といい、このアレルギー反応を引き起こす抗原のことをアレルゲンと呼ぶ。
即時型アレルギー反応
Ⅰ~Ⅲ型のアレルギー。数分から数時間以内に発症する。IgEを代表とした免疫グロブリンが大きく関与している。最悪の場合、命にかかわる。
遅延型アレルギー反応
Ⅳ型のアレルギー。数日後に発症する場合が多い。主にT細胞が関与している。
症状は発赤、痒み、発咳、呼吸困難、鼻汁、チアノーゼ、嘔吐、下痢、流涙、眼瞼腫脹、血管浮腫、意識障害など様々。
血液検査、除去食試験、組織生検など症状や原因に合わせる
治療はステロイドや免疫抑制剤の投与をし、その後アレルゲンの暴露量を減らすこと

自己免疫性疾患 
全身性エリテマトーデス、免疫介在性溶血性貧血、免疫介在性血小板減少症、免疫介在性関節炎などが含まれる。多くの場合原因を特定するのは困難。雄よりも雌の発症が多い。
症状は疾患によって異なるが、すべてで発熱をおこす。全身性または特定の臓器、細胞に炎症を引き起こす。抗核抗体検査、血液検査、クームス試験などを行い診断する。
治療は免疫抑制剤の投与、対症療法。

免疫疾患には命にかかわるもの、治らないものもある。
抗原も抗体もたんぱく質でできており、うまく食事を取れていないとさらに病状が悪化してしまうこともある。入院中など罹患動物が食事を取れているのか、ストレスなどの免疫が低下する要因が強くないのかなどは動物看護師がしっかりと管理するべきである。
入院動物は、手術後やストレスによって体調変化をおこしやすいので、食欲などの一般状態だけではなく温度や湿度、部屋の清掃、消毒、タオルやシーツの交換など環境状態にも常に気を配っておく必要がある。免疫疾患を罹患している場合は、高カロリー、高たんぱくの食事を推奨し、食欲のない場合は好みのものでよいのでとにかく食べさせることが必要。食事を取れる場合、口周りや肛門まわりなど皮膚粘膜移行部を清潔に保ち続ける必要がある。副作用出現の可能性も念頭に入れ、体調変化にいち早く気づけるよう看護を行う。下痢や嘔吐など体力の低下につながる要因は排除できるよう獣医師と相談する。見逃しがちな飲水量も管理し、血液の循環に必要な量が取れているのか、点滴などの必要はないのか考慮する。
またステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤の投与や手術後の感染などにより免疫機能が低下してしまうことを理解し、家でどのような体調変化を注意してもらうか伝えられるようにしておく。
予後や症状、今後の展開に不安な飼い主さんもたくさんいる。精神的な援助ができるように必要知識を学び、動物の変化と同じように、何かを聞きたいなどの飼い主さんの変化にも気づき一緒に病気に向き合う動物看護師を目指す。

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いかがでしたでしょうか。

免疫疾患はセミナーでも学んだ通り、治らないまたは長期治療や治りづらい疾患も多いです。
仕組みを理解することで、症状を軽くしてあげることが出来たり、今の状態の理解をしてその子にとって一番良いことを選んであげる手助けになれればと思います。
どんな疾患にかかっても不安な事は多いと思います。
そんな時に私達動物看護師がしっかりと知識を持ち、皆様の気持ち、動物たちに寄り添えられるようになりたいと思います。

看護師 坂本恵

看護師セミナー8 血液・免疫Ⅰ

こんにちは。看護師の坂本です。
今回は血液免疫学Ⅰで、血液についての講座になります。
わんちゃん、ねこちゃんの具合が悪い時、病院で身体検査の次に行うことの多い検査が血液検査だと思います。
その血液について、どういう仕組みなのか、何がわかるのか。また血液の疾患について学んでまいりました。
以下に内容を記載させていただきます。

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血液・免疫学Ⅰ

血液疾患は一度症状が出ると生命に関わるものも少なくない。貧血による粘膜の蒼白、凝固系異常による紫斑や点状出血、呼吸異常や出血傾向などは保定をしている動物看護師も気付ける異常。また血液検査の結果をみて、追加で塗沫検査や他検査、治療の準備を早急に始められるように血液について理解しておく必要がある。凝固系異常、DICを疑っている場合早急の治療が必要なため検査結果はすぐ報告する。腎臓や脾臓の疾患でも血液異常は起こるため、保定で無理をさせないなどの注意も必要。体位移動での呼吸停止を起こしかねない場合もあるので動物の観察が必要。血液値が大きく異常を示していても、体力や動物の性格によっては元気にしている場合もある。元気にしていても突然急変する可能性がある事を念頭におき、看護を行う。家ではなるべく安静に出来るよう指示し、リスクの説明もきちんと行うこと。

身体の水分分布
身体の約60%が水分。そのうち細胞内の水分が約40%で、間質(組織)液が約15%、血漿が約5%、リンパ液が約1%以下である。この内、細胞内液,血液の水分が脱水してしまうと命の危険があるので、脱水症として水分が失われるのは、組織液である。
身体の血液量
循環血液量(臓器に貯蓄されていない身体を巡っている血液量)は、犬で体重の8~9%。猫で約6%。このうちの1/3を失うと命に危険が及ぶ。 身体から血液が失われると間質液から水が補給され血漿量が戻り始める。循環血液量は半日~2日程で回復するが、赤血球白血球などの血球成分は4~8週間かけて元の量まで戻る。この事から失血した場合、長期の治療、看護が必要となる。 血液は骨髄で生成される。

血液の種類
血漿
血液の液体成分。全体の約60%を占める。
血清
フィブリノーゲン
血球成分
全体の約40%を占める。
赤血球
白血球
好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球がある
血小板

それぞれの働き

血清
血漿に含まれる成分。90%が水であり、残りの10%に糖質やアミノ酸、尿素、ホルモン成分、血漿タンパク、電解質、脂質が含まれる。 血漿タンパクには肝臓で造られ血漿の濃度調整を行うアルブミン、免疫に関与するグロブリンの2種から成り立つ。このためタンパク、アルブミンが低下した場合は肝臓異常も疑い、グロブリンの上昇の場合には感染症などを疑う。電解質は身体の酸化を防止したりお互いのバランスを保って成り立っている。脂質には中性脂肪やコレステロールなどが含まれ、これは上昇しても低下しても異常となる。

フィブリノゲン
血漿に含まれる、血液を固める成分。

赤血球
大きさは約7~8μmでこれは毛細血管に1つずつ通れる大きさ。ヘモグロビン(鉄分)が含まれ、酸素,二酸化炭素の運搬を行う。犬の赤血球は約4カ月で消失、猫では約2カ月で消失する。赤血球は脾臓で分解され、便や尿として排出する。このため、便や尿の色の変化は膵臓や腎臓膀胱、肝臓異常でおこることが多いが、赤血球や脾臓異常でもおこることがある。赤血球の分解された成分がビリルビンへ変化するので黄疸の原因も肝臓だけではなく、赤血球がどこかで壊され続け代謝が間に合っておらずにおこる事もある。骨髄に異常がある場合など、血液塗沫検査で網状赤血球など健康な子では見られない赤血球の前段階の細胞が見られる事がある。 血球の体積の量を示すヘマトクリット値は赤血球の量とほぼ等しい。このヘマトクリット値が下がると貧血を表わし、上がると脱水をおこしている事を表わす。 血液型は赤血球で決定し、諸説あるが犬で13種、猫で3種ある。人と異なり、犬猫は血液型を2種以上持っていることが多いとされている。

白血球
好中球
白血球の約60%を占める。細菌などの異物を取り込み(貪食)、身体を守る。血管内皮をすり抜け血管外で活動する事が出来る。異物に最初に反応して攻撃をする。白血球の総量の7~80%に上昇している場合、急性炎症の可能性が高く、発熱している事が多い。 好中球は貪食後、細菌を取り込んだまま死に膿となる。
好酸球
白血球の約3%を占める。寄生虫に対する生体防御をする。アレルギー反応に関与する。
好塩基球
白血球の約0~2%を占める。慢性のアレルギー反応に関与する。顆粒にヒスタミン等を含み、アレルゲンが結合するとアナフィラキシーショック、蕁麻疹などを引き起こす。
リンパ球
白血球の約30%を占める。T細胞、B細胞、Nk細胞があり、免疫反応の中心的役割。T細胞はマクロファージとともに抗原(微生物や癌細胞など)から身体を直接守り、B細胞は抗原から刺激を受けると、7~10日かけて抗体を産生する。その抗体が抗原をほぼ無毒化したり、他の細胞に排除されやすくすることで身体を守る。NK細胞は自己の腫瘍細胞やウイルス感染細胞を破壊する
単球 
白血球の約60%を占める。血管外の組織に出るとマクロファージとなり細菌や損傷した自己細胞を貪食する。長期戦になると出てきて好中球と同様に攻撃する。白血球の総量の4~50%に上昇している場合、慢性炎症の可能性がある。微熱がでることも。
血小板
核のない細胞。止血作用がある。傷などがあると形を変形させ、偽足と呼ばれる突起を出しそれで動いたりお互いをくっつけ血栓をつくり止血する。

造血機能
全ての血液は骨髄にある多能性造血幹細胞から造られる。血球は成熟してから骨髄を出て、全身の血管に移行する。
赤血球の造血因子は、腎臓で産生されるエリスロポエチンというホルモン。
白血球は、病原体などが体内に侵入した事を感知すると、インターロイキン、コロニー刺激因子という造血因子が放出され白血球の生成を促進する。
血小板は、血中のトロンボポエチンによって調整されている。
止血機能
血管が損傷すると、血管壁に血小板が凝集し血栓を形成して止血する(一次止血)
一次止血の後、血小板の血液凝固因子が連鎖的に活性化してフィブリンを形成し、網状に血栓を包み止血が完了する。(二次止血)
損傷した血管壁が修復されると、たんぱく分解酵素によりフィブリンが溶解し血管が元に戻る。圧迫止血は静脈のみ行う事が出来る。筋肉が薄く様々な太さに収縮する事が出来るため、3~5分は出血を止める事が出来、その間に上記一次止血等が行われる。動脈は筋肉が厚いため結紮止血を行う。
輸血
命に関わる重度の貧血や凝固系異常などの際に行う。輸血は一時的な対症療法であり、根本的な治療ではないことを理解しておく。 輸血は生体内に他者の細胞(異物)を入れるということなので、事前に十分な検査を行わないと輸血反応という副反応が起こってしまう場合がある。副反応には、発熱、嘔吐、頻呼吸や不整脈などがある。他にもDICや溶血性輸血反応を起こし死に至る場合もあるので、輸血中は細心の注意が必要である。

血液疾患

免疫介在性溶血性貧血
自己免疫の異常によって、自己の赤血球を破壊してしまう。マルチーズ、プードル、シーズーの雌犬に多くみられる。
進行が早く、致死性が高い。症状は、発熱、可視粘膜蒼白、黄疸、血色素尿など
血液検査で、貧血、球状赤血球(塗沫検査)、赤血球の大小不同が見られる
治療はステロイド等による免疫抑制、輸血など

タマネギ中毒
ネギ類を食べることで、ネギ類に含まれる水溶性の物質(アリルプロピルジスルファイドなど)がヘモグロビンを酸化させる、溶血性貧血をおこす。
症状は、ネギ類を食べてから数日以内に溶血性貧血、血色素尿など
血液検査で貧血、ハインツ小体(塗沫検査)が見られる
治療は食べてすぐならば催吐処置、症状後であれば、対症療法、抗酸化剤、ステロイド剤の投与、輸血など

バべシア症
マダニの吸血時に体内に侵入したバベシア原虫(寄生虫)が赤血球寄生し、壊し溶血性貧血をおこす。
症状は、マダニ寄生の2~4週間後に発熱、黄疸、血色素尿など
血液塗沫検査でバベシア原虫の確認をする。
治療は抗原虫、抗菌剤の投与、輸血など

白血病
造血器系の腫瘍で骨髄の中で白血病細胞が異常に増殖し正常な白血球などが減少。 また造血機能も低下するため貧血を起こす。犬では原因不明だが、猫はウイルスの感染によって急性白血病がおこり、致死率が高い。慢性白血病は症状が緩やかである。
症状は持続性の下痢、鼻炎、結膜炎、リンパ節の腫れなど様々
治療は抗がん剤などの化学療法、輸血など

猫白血病ウイルス感染症
咬傷や濃厚な接触で猫白血病ウイルスに感染し免疫不全や感染症を引き起こす。リンパ節や骨髄、脾臓など全身臓器に感染が広がる。
症状は口内炎、鼻炎、結膜炎などと造血器系細胞の腫瘍化を引き起こす場合と、破壊を引き起こす場合がある。
通常感染後4週間程度でウイルス抗原が陽性になるためウイルス検査で検出できる
治療は感染症に対する対症療法になる。

猫免疫不全ウイルス感染症
咬傷で感染し、リンパ球を破壊し、後天的免疫不全症候群をおこす。感染初期には発熱やリンパの腫脹などの症状がみられ、その後一旦なくなる。無症状のキャリア期を数年間経て、次第に免疫機能が低下し口内炎、結膜炎、下痢などの感染症に伴う症状を発症する。また慢性腎不全を発症する事も多い。
ウイルス検査で検出できる。
治療は感染症に対する対症療法になる。

リンパ腫
リンパ球系細胞が異常に増殖し腫瘤を形成する。悪性リンパ腫のステージはⅠ~Ⅳに分類され、ステージが上がるごとに予後が悪い。
Ⅰ:一か所のリンパ節にとどまっている。
Ⅱ:上半身、または下半身のどちらか一方にとどまっており、二か所以上のリンパ節に広がっている。
Ⅲ:上半:、下半身どちらのリンパ節にも広がっている。
Ⅳ:リンパ節以外の臓器や骨髄、血液に広がっている。

症状は腫瘍の出来る場所や悪性度によって様々でリンパ節の腫脹だけの場合や、呼吸困難、嘔吐や下痢などがある。
細胞診やPCR検査で診断がつく。
治療は化学療法、外科療法、放射線療法、対症療法など様々

免疫介在性血小板減少症
自己の血小板を破壊することで減少し、出血傾向がおこる。自己免疫疾患が主な原因で腫瘍や激しい炎症、感染症、薬物投与、ワクチン接種後に続発しておこる場合もある。犬に多くみられ、猫ではまれ。
症状は体表や粘膜部の点状出血、紫斑など
治療は免疫抑制療法、輸血など

播種性血管内凝固(DIC
ショック、感染症、悪性腫瘍などによって血管内の凝固が過剰に亢進し、多くの微小血栓が生じることによって、急性腎不全や肺不全などの臓器障害をおこし、血液中の血小板や凝固因子が枯渇するため皮下出血などの様々な出血傾向を示す。
命に関わる重篤な状態。
症状は元気消失、点状出血、紫斑、出血傾向など
血液検査で判断する。PT,APTT,FDPの高値など
治療は原因疾患の治療、へパリン療法など

このように代表的な血液疾患は命に関わるものが多いことから、知識をしっかりもち看護を行う必要がある。ショック状態になりやすいということを理解し、ささいな動物の変化も見逃さない。酸素吸入をすぐ行えるようになど事前準備にも注意する。

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いかがでしたでしょうか。

難しい単語なども多かったと思います。
血液疾患にもさまざまなものがありますが、命にかかわる怖い疾患も多いです。
診断時の獣医師からの説明や、資料などを読んで不安になることも多いと思います。
私達看護師もきちんと知識をもって、その子その子により良い看護ができるように努力し続けたいです。

次回は血液・免疫Ⅱで免疫についてを学びますので、またまとめてお伝えさせていただきます。

看護師:坂本恵