リハビリテーション

2015年3月20日

ネット社会とは言いますが、ネットで受講できるWebセミナーが開催されるようになってきました。今回は、リハビリについてのセミナーです。
獣医領域では、人のような理学療法士はいませんが、本州では整形疾患、神経疾患の運動機能の改善として、リハビリを専門で行っている動物病院も誕生しています。リハビリは、水中療法やバランスボールなどの特殊な道具が必要で、病院に行かなければできないものと思われているかもしれません。ですが、自宅でもできる簡単なリハビリがありますのでご紹介いたします。

1つは、マッサージです。5分間だけでもマッサージをしてあげると体内から鎮痛物質が放出され、気持ちがよくなるといわれています。ただし、皮膚の炎症、腫瘍、発熱、止血異常のある場合は不適となります。マッサージには以下のような方法があります。

○ストローキング(さする)
マッサージの開始時、終了時、落ち着かせたい時に行います。
体中をやさしくさすってあげて下さい。
?○軽擦法
しっかり手をあて、犬の好みの力で圧をかけます。
?○ 圧迫法
近くから遠くへ、遠くから近くへとしっかりと圧をかけます。
?○叩打法
軽く手をカップ状にして、軽い力から徐々に強くしながら叩きます。

次にストレッチです。ゆっくりと関節を伸展したり屈曲して15秒ぐらいその状態を維持します。また、筋力をつけるには、負重しなければいけません。絶えられる時間で1日3回ぐらい補助起立させます。

より積極的な運動療法としてSit-to-Stand、サークル歩行、8の字歩行などがあります。

Sit-to-Stand
  犬の屈伸と言われ、股関節の関節炎のある子に適します。
  立ち上がって前に進まないように立ち止まらせます。
  1セット3回ぐらいから開始し、1日3回ぐらいがよいようです。
サークル歩行
  使ってない肢を中心に体重をかけて歩かせます。
8の字歩行
  腰のふらつきのある子に適します。体がやわらかくなります。

マッサージは、リハビリ効果だけというものではなくワンちゃんとの関係をより深めてくれるものともいえます。時間のあるときにでも、ぜひ取り入れてみてください。

獣医師:半澤

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