高齢猫の健康診断のすすめ

2017年2月15日

ワンちゃんは、幼少時より混合ワクチン接種、狂犬病ワクチン接種、フィラリア予防と来院する機会が予防だけでも年数回あります。しかしながら、ネコちゃんの場合、混合ワクチン接種、避妊・去勢手術が終わると、ほとんどの場合で、体調が崩れない限りは次回の混合ワクチンまで来院されることはありません。もちろん、元気で食欲もあり、予防以外で来院せずに済むのが一番ですが、高齢になると、さまざまな症状が年齢による変化と思われがちとなり、自宅での病気の早期発見が難しい事が多いと思われます。 高齢猫の病気として一般的に多いのが、①慢性腎不全②変性性関節炎③甲状腺機能亢進症と言われています。

①???? の場合、
尿量と飲水量の増加が特徴となります。しかしながら、徐々に飲水量が増えていると気づきにくいこともあります。トイレでオシッコをした後の砂の塊の大きさなどからおおよその尿量を把握しておくことが大切です。
②???? の場合、
高齢猫の60~90%が罹患しているというデータもあります。最近、ジャンプしなくなった、動き回らず寝てばかりいるといった状況を年のせいばかりと思わず、関節炎があるのでは?と疑ってみることが大切です。
③???? の場合、
食べているのに痩せてくる、よく鳴くようになる、興奮しやすくなる、徘徊する、嘔吐や下痢をしやすくなる等いろいろな症状があるのが特徴となります。緩徐に進行することも多く、早期発見が難しい疾患の一つとも言えます。年に一度程度、甲状腺ホルモンの定期検査を推奨しております。

これらの病気は、血液検査や画像診断(レントゲン検査、超音波検査)で診断されます。検査のために麻酔をかける必要はありません。病気治療は、早期診断、早期治療が一番です。人が一年に一回人間ドックを受けるのと同じように、ご家族の一員であるネコちゃんの健康診断をおすすめさせていただきます。

獣医師 半澤

 

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