看護師セミナー17 動物看護学

2019年1月17日

こんにちは。看護師の坂本です。今回は動物看護学という、動物看護師の意識や振る舞いについてです。
これから動物看護師を目指す、または現職さんへという内容になっております。

以下内容
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動物看護学、臨床動物看護学

動物看護の目的:その動物の生活ステージすべてに関与し、一生を支えること。
=病気の時のみではなく、元気な時も含め全ての段階に関与しサポートする。
個々の動物の環境や状況を理解し、個別性をふまえた看護を行う
この目的を理解した上で、動物の看護とは多様な環境に生存する動物種を、その動物に合った健やかな一生を全うできるように、健康の保持と増進、病気の予防と動物医療の補助に勤め、援助することである。

健康とは、身体、精神、および社会的に安定した状態であることを意味し、単に病気、虚弱でないということではない。
動物看護の基本とは安全な獣医療を提供する。安心を得られる。自立を助ける事である。

?各ステージに対する看護

健康な時:現状の維持及び病気予防。
栄養管理やワクチンの必要性の啓蒙、しつけ、避妊,去勢手術に関してなど。正しい、新しい情報を飼い主さんが全て知っているとは限らない。
病気の時:獣医療の補助と二次的発症疾患の予想及び予防。
さらなる苦しみが与えられないよう配慮する。
回復期 :日常生活の自立を目指す。
リハビリの実践や、元の生活になるべく戻るためのサポート。
終末期 :苦しまずに平和な死を迎える援助。
体を生前の綺麗な状態、その動物らしさを損なわないようにしながら送り出す。また飼い主の悩み、悲しみなどの心に寄り添える看護師でいる。

獣医師と動物看護師の職域の違い
獣医師は病気を診る、診察や診断など獣医師しかできない仕事がある
動物看護師は動物を看る。全体を丁寧に看る仕事。人の医療から学び、病気を診るのではなく病人を看る。献身的なだけではなく、観察力を持つことが重要。健康で快適な環境が動物の健康維持に必要と言う事を理解し、動物看護師が指導する必要がある。

動物看護師に求められる視点、能力
生活全般から、どのステージにいるのかを見極め、状態観察し、今後の予想や問題点を把握し、解決するための処置を実践する、動物看護のプロ視点。
飼い主と適切に関わり、絆をつくり、安全で安心して診療を受けられるようにする。
獣医師の言う事だけを聞くのが動物看護師の能力ではなく、動物、飼い主さんのために必要知識をつけ意見交換しながらより良い獣医療、生活を提供するサポートする能力が必要。

動物看護過程の実施
動物看護過程とは現状や目的、今後など必要なことは何かを観察し、見極め対応する手段や方法論のこと。看護記録として活用し、関わる全てのスタッフが共有出来て、同じことを出来るようにするためのもの。
アセスメント
情報の収集を行い、動物の現状把握。裏にひそんでいるものも推測し収集する。
問診内容の統一など、同じ情報を収集できると良い。
看護診断
正確な情報や診断をもとに、看護上の問題を抽出し、明らかにする。
現時点で存在する問題やこれから起こりうる問題を挙げる。
看護計画
問題点の解決方法や目標を設定し、達成するまでの対応や行動を考え出すこと。
目標は飼い主さんと相談して、無理のない目標を設定する。元気だった時と全く同じは厳しい場合もあることは相談して伝え、今可能な目標を設定。
目標達成後に、他目標を再設定することもできる。
実践
計画に沿って実際に動物への看護を提供。
今すぐ対処が必要なもの、緊急ではないが必要なものなど、優先順位をつけて実践する。この時二次的に起こりうる症状などの予防も一緒に。
看護記録
実践内容と結果が誰にでもわかるように記録。みんなで同じ情報を共有。
他者に理解しやすいように。記録の改ざんとならないよう、訂正は注意し、修正テープ等は使用しない。守秘義務があるので慎重に管理する。具体的な正確さ、簡潔さ、明瞭を意識して出来るだけ早くに記録する。
看護評価
看護目標が達成できたのか、どこに原因があったのかを評価し、必要であれば再アセスメントを行う。(目標の再設定)

クライアントエデュケーション
動物とより良く共生するために獣医療従事者から飼い主に必要な知識を提供し、個々の問題をともに解決していく事。
動物看護師としての専門性、コミュニケーション力、ホスピタリティマインドと言われるおもてなしの心が求められる。飼い主の期待に応え、期待以上のものを提供する。
動物病院で行われる主なものとしては
飼育、健康管理指導
?予防医療の指導
?関連法規の遵守と啓発       がある。
飼い主とその家族の生活リズムや環境に適し、実行できる計画を立てどのようなアドバイスが出来るかを考える事が動物の支援に繋がる。

2つのコミュニケーションスキル
バーバルコミュニケーション
言語のコミュニケーション。敬語や尊敬語、謙譲語はもちろん、クッション言葉や依 頼、肯定形の言語もきちんと使えるようにする。
ノンバーバルコミュニケーション
姿勢、身だしなみ、表情のコミュニケーション。目と耳からの情報で印象の93%は決まる。清潔感は信頼感につながる。ユニフォームは立場をあらわすもので、そこに個性を出す必要はない。
笑顔は不安を安心に変えてくれる要素。

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いかがでしたでしょうか。

さまざまなことに注意し、思いながら働く事を求められます。
注意しあい、支えあいスタッフ間の連携を取りながら目の前の子たちのためにきちんと働いてきたいです。

看護師 坂本恵

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