コラム診察室

スピノサド製品を使用する上での注意点

近年、経口でノミ・ダニを予防できるスピノサド製品(殺虫剤)が発売されています。 こちらの製品は、同系統のイベルメクチンを高用量で併用した場合、神経症状などのイベルメクチン中毒症状が認められることが報告されています。通常の治療でイベルメクチンを高用量で使用することはありませんが、例えば皮膚科疾患の毛包虫などの治療目的のために高用量投与をした際に問題になった報告があげられています。当院では、スピノサド製品を利用していませんが、例えば、ネットで購入していたり、他院にて処方されており、当院で皮膚治療中に投与することで中毒をおこしてしまう危険性を今後は考える必要がありそうですね。

獣医師 半澤

新しいタイプの外耳炎のお薬

ワンちゃんが急に耳をかゆがりだし、のぞいてみたら、耳が真っ赤だったり 耳垢でいっぱいだったりと外耳炎をおこしていることがよくあります。その場合、院内で耳掃除をし、点耳薬を自宅でも使ってもらいますが、自宅ではワンちゃんがいやがってしまい、正しく点耳ができない場合や慢性外耳炎で常に薬が必要な場合もあります。そのようなワンちゃんや点耳ストレスで悩む飼主様の救済として発売されたのが、こちらの製品です。  ただし、製品の性能上、第一選択とはなりませんので、ご相談の上、使用させて頂きたいと思います。

このような長期間効果のある動物薬が続々発売されてきています。投薬回数が減り、利便性は高まりますが、もし合わなかった場合、除去することができません。ですので、発売されてすぐ使用するのではなく、症例報告等を参考にしながら、慎重に使用していきたいと考えております。

獣医師 半澤

鍼灸治療による乗り物酔いの軽減効果

鹿児島大学と麻布大学からの共同研究報告(2016年度)の中から面白い報告がありましたのでご紹介いたします。
愛犬愛猫と旅行に行きたいけど、乗り物酔いがひどくてかわいそうで諦めたり、日々の生活でも車の移動ですごくストレスを与えてしまったりという事は多いかと思います。動物の乗り物酔いに対しては、もちろん行動療法による乗り物への馴化のご助言も行っていますが、やはり酔い止め薬の投薬がいまだ主軸にあると思います。

この度の共同研究では、耳たぶに直径0.2mmの鍼灸パッチを貼るだけで、乗り物酔いの軽減効果が認められたと報告されています。0.2mmだとほとんど痛みを感じることはないはずです。通常の針治療は、専門技術の習得が必要ですが、この研究では、貼付けタイプを使用しているので施術が簡単であることもポイントと思います。
日々の生活の中で移動の度に投薬をするのもかわいそうですが、貼るだけで軽減する方法があればとても画期的ですね!

獣医師:伊藤

避妊去勢薬

一回の注射だけで、雌、雄ともに生涯生殖能力をなくしてしまう避妊薬がアメリカで開発されました。
脳から出る性腺刺激ホルモン放出ホルモンを中和する遺伝子を、ウイルスを使って体内に送り込む仕組みです。
去勢避妊の手術をしなくても大丈夫という寸法なのだと思いますが、なんだか怖い気がしますね。

獣医師:伊藤

新たなブレスケア サプリメント  クールデント

デンタルケア製品の充実しているビルバックからブレスケアに対する商品が 発売されました。こちらの製品は、植物由来成分が含まれています。  パセリとミントの成分で息をさわやかにするだけでなく、ザクロに含まれるエラグ酸とプニカラギンにより細菌のバイオフィルム形成が抑制され、口腔内の健康をサポートしてくれます。また、様々な植物に含まれているイヌリンは、腸内で発酵分解を受けるとフラクトオリゴ糖となり、善玉菌のエネルギー源として腸内環境の健康も維持してくれます。  歯磨きをしたいけど、どうしても難しい子やデンタルケアをしているけど、 口臭が気になる子にどうぞ使ってみてください。  サンプルとして1粒お渡しできますので、ご興味のある方、どうぞスタッフに声をかけて下さい。
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獣医師:半澤