獣医腫瘍科認定医 Dr野上の主要講座15 レーザー治療のご紹介

体表のイボの蒸散治療について

高齢の犬では体表にいくつものイボができることが多くあります。

とくに発生の多い皮脂腺腫などの体表のイボは、脂の分泌が多く表面がジュクジュクして痒みを伴ったり、こすれて出血を繰り返すという困った日々を送られている方も多いかと思います。

<皮脂腺腫>

ピンク色でカリフラワー状の形をしています。

このようなイボに対しては、局所麻酔や全身麻酔下で外科的に切除することが一般的なのですが、切除してもまた新たに複数発生してしまいきりがない…ということもしばしばです。

今回ご紹介させていただく半導体レーザーは、レーザーをイボに当てることで瞬時にイボの温度が上昇し内部の水分が水蒸気へと変わる「蒸散」という原理を利用して、イボを削り取っていく治療法です。イボだけを蒸散しながら、周囲の正常な皮膚の影響は少なく抑えることができます。

                 ~飛鳥メディカルHPより引用〜

<レーザー治療のメリット>

● 無麻酔か局所麻酔で処置が可能

● 一ヶ所、約5分程度で処置が完了(1cm未満のイボ)

● 痛みや炎症が非常に少ない

● 術後に処置した部位の保護や抜糸が不要

● 複数個所のイボの処置も同じ日に実施可能

● 足先や耳道などの部位でも処置が可能

<レーザー治療をおこなっている様子>

少しイボをつまみながら、レーザーを細かく当て、

熱さや痛みなどがないか確認しながら処置を進めていきます。

処置後はしばらく痂疲で覆われ、自然と痂疲が取れるのを待ちます。

これで治療終了です!

2か月後に患部を見せていただいたところ、レーザー処置を実施した場所がわからなくなってしまうほどきれいに上皮化しており、とても良い治療経過でした。

小さなイボでは一度の処置で治療が完了しますが、大きなイボの場合には複数回に分けて少しずつ縮小させたり、モーズペーストなどの外用軟膏と組み合わせて治療する場合があります。

 腫瘍の種類によってはレーザー治療よりも外科手術が推奨される場合もありますが、動物の年齢や状態も踏まえ相談させていただきます。

イボからの出血や臭いでお困りの方や、レーザー治療にご興味のある方はぜひご相談ください。

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