猫の認知症

2016年8月4日

こんにちは、看護師の阿部です。本日は猫ちゃんの認知症についてまとめてみましたので、ご参考になればうれしいです!
最近では猫も人と同じで高齢化が進み、高齢の猫ちゃんが増えてきています。そんな猫ちゃんにも人と同じように認知症という症状があります。人では85歳の約50%にそのような徴候が認められると言われていますが、猫ちゃんの場合、15歳の約50%程と考えられています。

●認知症の主な症状
・不適切な排泄
・猫同士や人に対しての攻撃性
・過剰な鳴き声
・落ち着きがない
・見当障害
・徘徊 恐がる、隠れる
・まとわりつく など
しかし、このような症状の全てが認知症とは限らず、色んな組織の劣化を反映している場合もあるので注意が必要です。

例えば「不適切な排泄」は、トイレに入ろうとしたときの関節の痛みからだったり、猫ちゃんの頭をなでようとしたときに飼い主さんに攻撃してくることは、歯の痛みからや、甲状腺機能亢進症という病気だったりします。また、隠れたり恐がるような行動の不安感は腎臓疾患の一つの症状として出ることもあります。

猫ちゃんの認知症を疑う場合、環境変化(赤ちゃんや新しい動物を迎え入れた、引越しなど)と、他の内科的問題の2つを除外しなくてはなりません。従って、飼い主さんから聞く猫ちゃんの情報はとっても大事です。

●認知症の治療
薬物療法:過剰な鳴き声や見当障害に対してお薬を使う
栄養・食事管理:抗酸化物質や魚油などを含むサプリメントやごはんにする
行動療法適度な運動や新しい遊びを取り入れて刺激を与える
新たな環境改善を避ける:子猫を迎え入れる、トイレの場所を変えるなど

★猫ちゃんのためにお家でできること★
高齢になってくると、若いときはできていたことが上手くできないことが多くなってきます。お家でできる改善点をいくつかご紹介いたします。

例えば…
・最近段差の昇り降りが苦手になってきた
→ベッドや窓際などお気に入りの場所に踏み台をつけてあげる
・トイレに入るのが大変そう…
→できるだけ段差のないトイレに変えてみる
・トイレには入れるけど失敗することが多くなった
→トイレの周りにシーツをひいてあげる
・物の場所など昔に比べてわからなくなっている…?
→大きな模様替えをしない、移動しやすいように猫用ドアをつけてあげる など

また、ごはんやお水を飲みやすいように器の高さを調節してあげるのも良いかもしれませんね。

認知症は人と同じで治癒ができない病気ですが、進行を遅らせることはできます。猫ちゃんと飼い主さんが少しでも長く、よりよく生活できるためには早期診断、早期治療が大切です。昔と違って最近よく鳴くようになったり、いつもできていたことができなくなったり、何か気になることがあれば歳のせいかな?と思わず、お気軽にご相談ください。

看護師:阿部

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