近年、獣医療においても「リハビリテーション」という単語をよく聞くようになってきました。
しかし、その目的についてまだあまり知らない方も多いと思います。
そこで今回は、下記の内容についてお話させていただけたらと思います。
・動物におけるリハビリテーションとは
・当院のリハビリテーション
・リハビリテーションへの思い
動物のリハビリテーションとは
個々の動物が日常の活動において可能な限り自立して過ごせるよう介入し、生活の質を向上さることを目的に行います。運動やお座り、伏せ、起立といった基本的動作能力の改善を目的に実施することに加え、疼痛緩和や栄養管理、飼育環境の改善等もリハビリテーションに含まれます。
当院のリハビリテーション
当院のリハビリテーションでは、各症例に合わせた、冷却療法、マッサージ療法等の手技に加え、先端的応用の進む「半導体レーザー治療」を導入して治療を行っています。
半導体レーザーとは
組織内部への光の温熱効果(ほんのり暖かい程度)により、血行や細胞の活性化を促し「疼痛緩和」「傷の治癒促進」「炎症抑制」などの治療効果を発揮する物理療法の一部です。人の医療においても、変形性関節症や五十肩、腰痛などの慢性疼痛の緩和や、末梢神経損傷後の回復促進効果が期待されて使用されています。
特徴
- 非侵襲的
- 温熱・非温熱作用による血流改善や細胞活性効果
- 疼痛緩和、炎症抑制、創傷治癒促進
半導体レーザーの1番のメリットは、身体への負担が少ないという点です。副作用が少なく、効果も強いということから動物の体に優しい治療法として、ヘルニアや関節炎、靭帯損傷時の疼痛管理など幅広く臨床の現場で用いられるようになってきています。
原理


リハビリテーションへの思い
獣医師と看護師が互いに知識を持って連携し、治療を頑張る動物達を支えたいという想いを掲げています。獣医師が手術を行い、看護師がその後のケアを行う。それぞれがそれぞれの役割に徹して連携をすることで、常に動物のより良いを目指します。
また、リハビリテーションを計画していく上では、飼い主さんも重要なチームの一員です。愛犬愛猫のご自宅での様子や不自由な点を共有して頂いたり、ご自宅での日々のリハビリテーションもあります。当院のリハビリテーションでは私達、動物看護師も、獣医師との連携、飼い主さんとの対話を大切にしながら、動物達のより良いを目指し挑んでいきます。
今後もリハビリテーションに関する情報を発信して参りますので、愛犬愛猫と飼い主さんのお役に立てたら嬉しいです。
看護師:竹内